後宮楽園球場 ハレムリーグ・ベースボール/石川博品,wingheart

「女装少年出仕」から幕を明け、「女装少年出世」で幕を閉じるお話。
ある野心から女装して宮女として後宮に侵入した香燻は、そこで在籍することになる下臈所にて野球……ハレムリーグ・ベースボールに参加することに……というある意味シンプルなお話……これは、「ある意味」だとしてもシンプルなのか……?

女子ばかりの場所に見目麗しい男子が女装をして侵入したり生活したりするというパターンは特段珍しいというわけではない。漫画やアニメやゲーム、そしてラノベでも過去にそういった作品はあるが、その先で……しかも後宮で……野球をやるという意味がわからないw
意味はわからない。どうしてこうなったとも言いたくもなる。なのだが、読んでみると、とんでもなく熱く、面白い。
ドロドロとした後宮の人間関係……権力に塗れ、野心に溢れ、思惑に絡まり、感情を押し出して行われる、ハレムリーグ・ベースボール。白球に懸ける彼女たちの情熱に、心打たれる。場外ホームラン級に打たれる。
白球を追いかける時の彼女たちのそれは、後宮の権力争いや人間関係のそれとは切り離された清々しさがあるにも関わらず、上手く反映もされていて、それがスポーツの熱を上げ、読む者の熱をも上げていく。その熱、それが本物のスポーツに似ている感触があって、読む者の心にずっしりと響く。
読み終わり気がつくと、外国の後宮の宮女たちは野球をして過ごしていたのだ、日本の大奥もハレムリーグ・ベースボールを開催するべきだった、そう思ってしまうまである。

と、まぁこんな感じで、後宮というどうしてもドロドロな人間関係を連想してしまう場に、野球というフィクションでもスポ根ど真ん中のジャンルをぶち込むという荒業をやってのけ、更にめちゃくちゃ面白いエンターテイメントに仕上げるという、石川博品さんの底知れなさを見た気がしました。
また、文章の巧みさ……と書くと所謂文章力的に捉えられるかもしれないけど、そうではなく、読みやすさとでも言えばいいのか。心地よい文章も特徴的。
石川博品さんは、クセの強いストーリーを作ってくる印象だけれど、何故か頭にスルスルと入ってくる印象もある。それは、そのへんにあるのかなぁなどと思った。

一応、この巻でお話のある程度の着地はしていますが、まだまだ先を読みたくて仕方のないお話。是非とも、続きをお願いしたいところ。
続き、お願いします!

代償のギルタオン/神高槍矢,おぐち

第12回スーパーダッシュ小説新人賞優秀賞受賞作。
スーパーダッシュ文庫といえばここ数年、巨大ロボット作品に新人賞を与えることから、スーパーロボット文庫の異名を持つレーベルですが(?)、今年の巨大ロボット作品はこの『代償のギルタオン』になります……なんなのスーパーダッシュ文庫。なんでスーパーダッシュ文庫には、優秀な新人の巨大ロボット作品が集まってくるの。やっぱりスーパーロボット文庫なの……?
さて、その『代償のギルタオン』、カラーとしては結構エグい戦争モノになっております。魔物や怪獣への対抗手段としての巨大ロボットではなく、戦争の兵器としての巨大ロボット。巨大ロボットvs巨大ロボットのタイプ。

まずは思わせぶりな終章〈後編〉が披露され、貧民街で育った姉弟が街を脱出するところからお話がスタートする。ギルタオンという兵器によって動く戦争が蔓延る世界とでも言えばいいのか、普通に暮らす民衆にとってはあまりよくない社会状況のご様子。そんな世界の貧民街で共に育った姉弟のヤシャナ・ライク・ミコはついに街を脱出することを決意。コネも金もない彼らは勇気と知恵を絞って脱出計画を実行するのだが……といった具合。そして、その3人の未来のほんの少しだけども、その未来の一端が見えた計画の遂行中に、彼らは戦争の真っ只中に巻き込まれていく……。
既に書いたけど、このお話、本当にエグい。 表紙に描かれた3人の少年少女がヤシャナ・ライク・ミコの3姉弟なわけだけど、本を開けば、表紙の凛々しい3人とは対比のような、そんな微笑ましい3人の絵が描かれている。読んだ後にこのページに戻った時の気持ちはなんと評せばいいのか……。
そう、そのイラストな。おぐちさんの挿絵。特に、本文の挿絵は少しラフなタッチなのだけど、これが逆にこのエグく泥臭い作品にとんでもなくマッチさせてしまっていて、小説と共に読者のメンタルをガリガリと削ってくる。読後にパラパラと見返すと、その場面場面でのエグさを克明に想起させ、読者のメンタルをヤスリがけしてくるのだ。

正直な話をすれば、こういう持っていき方は卑怯だとも思う。こういう展開では、そりゃ誰でも気の毒に思ったりするわけで……とは、もう逆に言いたくない。
この感じだと、続きとかもあると思うのだけど、こういった展開を見せた以上、少なくとももう一山くらいはこれ以上のモノを提示した上で、大団円を見せてくれるのだと、そう期待したいので。
そういうわけで、2巻、楽しみにしてます。

六花の勇者 4/山形石雄,宮城

魔神が復活する時に現れる世界を救う力を持つという6人……六花の勇者、その集いし時に現れた勇者が7人だったことから始まる、ファンタジーにミステリ的な要素をブチ込んでスリリングに展開するライトノベル4巻目。

今回はアドレットの過去を踏まえ、アドレットとロロニアとの出会い、ドズー・テグネウ・カーグイックの因縁、そのテグネウの陰謀、ドズーたちの思惑、そして勿論六花の7人目への疑惑が絡みに絡んでドラマが展開される。勇者と凶魔と人間、いろんな感情と思惑がいろんな方向に向かいつつ交錯し、絡み合ってスリリングに物語が紡がれていくのは流石。読み進めるのが楽しくて仕方がなく、最後までページを繰る手が止められなくなる感覚にがっつり落とされる。
更に、今回出てきた、テグネウの切り札、黒の徒花。黒の徒花のこと自体が本格的に描かれるのは次巻ですが、この巻の展開とその最後のエピローグで、そのことがチラリと語られる『過ぎし日の夢』を読んだだけで、もう次巻が早く読みたくて読みたくて、次巻はよ、次巻はよの言葉が止められない。
読者は物語を俯瞰して見てるので状況に対する正解がわかってるわけで、だからこそこの巻は読んでいてやきもきするのだが、そのやきもきさせる絡んだ糸をただ解すのではなく、寧ろ絡んだ糸を活かした物語の紡ぎ方とでも言えばいいのか。その読み味がなんとも心地よい……とは言わずとも、だがそれがイイという不思議。
つーか、本当に何書いてもネタバレになりそうで怖いなぁ、このシリーズ。

次巻は、やはり、黒の徒花の話がメインになるのかな。そうなると、表紙はあの人になるんでしょうか……? 六花と7人目と黒の徒花、ドズーとテグネウとカーグイック、凶魔と魔神と人間、ああもう、先々がどうなるのか全くわからない、予想が全然つかない。まぁそうなると、結局、こうなる。
5巻はよ。

8番目のカフェテリアガール/石原宙,029

東京が舞台だけど、『名古屋系痛快学食ラブコメ』。東京で展開されるお話だけれとも、紛うことなき名古屋ラノベである。
理由はそう、サブタイトルにもなってる『東京なごやかプロジェクト』。これによって、東京は名古屋……味噌国による侵攻を受け名古屋化されようとしているのだ(ΩΩΩ<なんだってー)! 最近多くなったコメダの侵攻もその一端であるといえよう。この物語はそんな壮大なプロジェクトの行く末を綴られたライトノベルなのかもしれない。違うかもしれない。
とりあえず今度コメダ行ってみるか……。

さて、内容的には帯にも書かれている通りの『名古屋系痛快学食ラブコメ』がわかりやすいか。
お茶の木学園にフードコートのように展開された学食店の覇を競う学食バトルを背景に、そこの万年ビリの喫茶店満天が舞台。主人公は、その満天で働く名古屋出身だけど味噌が嫌いで名古屋を抜け出した主人公シロと、彼を追いかけてきた妹なごの、か。彼らと満天の店員たちとの日常が描かれながら、学食バトルが、ラブコメが、そして何より名古屋が描かれるw
作中、そこかしこに味噌が出てきて、章間のミニコーナーも名古屋飯がテーマで、もうそこら中が名古屋。どんだけ名古屋好きなんだよ、石原さん……。
そういえばタイトルの「8番目」の8も名古屋の市章ですもんね。名古屋グランパスからエイトは抜かれたけど……アレ何で抜いたの……? やっぱり豊田にひっk
で、日常が描かれると書きましたが、これは大きい章があって、その中を序編と2ページずつに区切ったとても短い短編で構成した作りになっていて、エピソードを積み重ねながら物語が紡がれる形になっています。漫画でいう日常系4コマのような読み味。これが凄くイイ。
日常のエピソードを積み重ねながら大きい流れの話を展開するのですが、エピソードが大きい流れの話に押し潰されることなく、また逆にエピソードが大きい流れの話を邪魔することなく、且つ中途半端な感じもせず、とても巧くまとめられてあって終始楽しく読めました。
キャラも素晴らしかった。あざといといえばあざといのですけど、これが許せるのが石原宙さんの作品というかw これは是非読んでみて貰いたいw ただ、妹が妊娠妊娠言ってるのは頭痛くなった……俺、もしかして、ツイッタとかでこんな風に見えてるのか……? でも妊娠ってとても素晴らしいことですよね。あぁ、早く男の子が妊娠する世界にならないかな……。

そして、イラストがまた。アニメ化された『はたらく魔王さま!』(電撃文庫)の原作イラストレーターでお馴染みの029さん。ラノベでは、キャラが絵になることで「生命が吹き込まれる」なんてよく言われますが、029さんのイラストはまさにそういう感じがしますよね。キャラが生きていて今にも動き出しそうな感じ。それがこの作品に上手くマッチングしていて、作品を盛り上げてくれます。

まぁそんなわけで大満足の1冊だったわけですが、これだけは言っておきたい。
シロくんの女装イラストがないのはおかしいやろ! 2巻では女装シロくんのイラスト、絶対やで!! 絶対や!!!

ベン・トー 10 恋する乙女が作るバレンタインデースペシャル弁当350円/アサウラ,柴乃櫂人

半額弁当に全てを懸ける狼たちの愛と青春とSEGAのバトルラノベも、ついに大台の10巻! ていうか、○.5が何冊かあり、しかもスピンアウトをコミカライズで単行本まで出してるから、やっと10巻でも既に十数冊目になってるのですけどもw
さて、そんな10巻ですが、今回はタイトル通りの2月イベント、バレンタイン! と節分。 ある意味ではいつも通りですが、いい意味でのこのハイテンションな展開とバカさっぷりは『ベン・トー』ならではですな。正直なところ、オーバーラップ文庫の『デスニードラウンド』を読んだ時、アサウラさんがこれほどまでに好き勝手やってる作品を見た後だと、パワーダウンを感じてしまうんじゃないか、そういう懸念も少しあったんですが……全くそんなことはなかったw この凶悪なまでに血沸き肉踊る、バトルと食い物描写とSEGAへの信仰心は、このシリーズ『ベン・トー』ならでは。さすが、と言わざるを得ません。SEGA信者になりかけたわw

節分編では、メインとなるのは白粉と白梅。今回は白梅様が狼たちの闘いを垣間見ることになります。そこで紡がれる白粉と白梅の関係性と交わされる感情は、たまりませんの一言。白粉はどうしても腐方面のクリーチャーの表情が表に出てきてしまいますがw、白梅とのそれにはこういう表情もあるのだよなぁと再確認させられて、危うく腐女子の彼女に「キマシ!」となりかけキマシ! キマシ!!
バレンタイン編は安定の佐藤洋変態回。巻を重ねるごとに、狼としても、また人間としても、その変態性に磨きをかけてきた彼だけれど、彼の女体に対するそれ、具体的に言えば茉莉花とのそれになるが、これはもう今世間でも話題の児童pうわなにをするやめr
また、表紙を飾っている通り、「ウルフヘア」の彼女の露出が増えたのも嬉しい限り。今後も少しずつでも出てくれると嬉しいなぁ。
そして、最後の、槍水先輩と金城との関係性とHP部、それによって動きそうな佐藤と槍水先輩、もっと言えばこの巻での佐藤と奢我との関係、この引きは、あらゆる意味でこのシリーズ最高潮に盛り上がってきた感があります。

また、柴乃さんのイラストもどんどんパワーアップしていてイイ。今回で言えば、表紙のウルフヘアや口絵の白梅様なんかは言うまでもないところですが、本文の263頁、345頁の挿絵なんかはたまらないものがありますな。漫画を描くことによる、小説本文の挿絵への好影響なのでしょうね。挿絵を担当されてる方がコミカライズも担当することは大変なことだとは思いますし、別の方がやられるコミカライズもそれはそれで面白さがありますが、やはり、たまにはこういう作品が見たいですね。現在、連載されてるコミカライズの作品の単行本が今から楽しみです。

そんなわけで、続きはよ! 11巻はよう!!

覇道鋼鉄テッカイオー 3/八針来夏,Bou

愛まみれ義づくし!
宇宙を舞台に繰り広げられるスーパーロボット童貞武侠小説第3巻! ミャウ=ガーにもたらされた毒にカザンが蝕まれる中、カザンとルゥランの旅の最終目的とも言える、時限陰毒殺の治療法が見つかったという報を受ける、というとこから幕が開かれる。
大好きなシリーズということで期待はしていましたが、期待をあっさりと上回る面白さに震えました。今時、正義と愛をこれだけ声高に叫ぶ物語はそうそう見かけないんじゃなかろうか。しかも、それが全く嫌味とか胡散臭さみたいなモノを感じさせない。それを感じさせないのは、たとえば正義なら、このお話のキャラたちが大切にしているのが正義の正しさではなく、あくまで義の部分、悪を恥じる(または憎む)、ということを大切にしてるからではないかと思う。今更に気づいたが、義という字には「我」という字が入ってるんですな。こういう時に漢字のそれに依るのはあんまり好きではないけど、なるほどと思ってしまったので。
また、毎回書いてる気がするけど、悪役の描き方がたまらないんです。下手したら悪役に思い入れしてしまう、まである。にも拘らず、主人公たちが色褪せて見えることがない。悪役に惚れることで主人公たちが更にカッコよく見えちゃう相乗効果。……八針さん料理とか上手そう。
そして、何より今回はルゥランちゃんですよ。今回は完全に主人公になっちゃってた。読んでいてなんというかもういろんな意味で滾った。なんか変な汁出てたと思う。まぁこのお話はイメージ的には2人で主人公(鉄塊凰も2人で動かすし)みたいな感じあるのでそれはいいんだけど、ルゥランちゃんは完全に侠だったし、カザンくんは最早ヒロインでしたね。しかし、それがまた微笑ましいやらこそばゆいやらで。カザンの独白からのルゥランの反応とか、クライマックスでのルゥランからのカザンへの言葉とか、もうたまらんですよ。
ルゥランちゃんといえば、Bouさんのイラストがまた凄かったですお。表紙のおっぱいがおっぱい過ぎておっぱいいやっほーだったけども、本文挿絵のルゥランちゃんも素晴らしいですわ。27頁は写真立てに入れて飾りたいですね。更に、ミザカの覇道鋼鉄『戦鎧皇』も超絶かっこいい。
そういうわけで大満足の3巻でした。物語としては、カザンとルゥランの関係性、パーティのメンバーも固まった雰囲気があり、ここでとりあえず一息ついた雰囲気がありますが、それ故に更に続きが楽しみなシリーズ。
あと、今回のバトルが楽しすぎて、将来的には某ゲームソフトに「『覇道鋼鉄テッカイオー』参戦!」とか夢見てるので、よろしくお願いします。

エンド・アステリズム なぜその機械と少年は彼女が不動で宇宙の中心であると考えたか/下村智恵理,黒銀

家出少年がその道中で、突如として渋谷に現れた機械の化物の報を見聞きすることから幕を開ける、巨大ロボットモノ。
巨大ロボットのフィクションといえば、日本人でアンケートを行えばガンダムかエヴァがまず挙がるだろうと思われるが、この作品はガンダムではなくエヴァの系統の巨大ロボットモノ、になるか。まぁ僕、新版エヴァ見てないのでなんともいえないんですけど。しかし、主人公の名前が五雁(いかり)なのは、どう捉えるべきか……。
内容的には、巨大ロボットの戦いを繰り広げながらも、少年たちの甘くて苦い青春を描き、その中で登場人物たちの内面を抉り出していく。度々目を背けたくなるような傷痕を見せられるので、読むのに少し疲れたが、だからこそ彼らへの思い入れは強くなったとも言える。読むのに疲れたと言えば、この作品、分厚く文字数も多く、小難しい言葉や理屈が多用されているので、更に疲れます。ただ、個人的には、その疲労感を報われる面白さではあったと思ったし、読後感は妙に爽やかなのも不思議。読んでいた時は滅入ったり、んあーこういうのはどうかなーと思う部分があったのに、とても変な感触です。
また、作品を彩られるように散りばめられた音楽が一服の清涼剤にはなっていました。ビートルズやフリッパーズなど色々出てきましたが、中でも『クレオパトラの夢』は、それこそエヴァの『Fly me to the moon』のように、印象的で作品とよくマッチしていてよかった。ジャズは門外なので知らなかったですが、機会があればCDを買ってゆっくり聴いてみたいところです。にしても、桜子ちゃん、スミス好きか……。
キャラ的には主人公の五雁やヒロインの茉莉衣は勿論よかったですけども、やはり伊織でしょー! キャラ紹介にある「日常的に少女を装う」キター。キタよーコレ。ktkrだよー。あと、佳澄さんは手遅れになる前に誰かもらったげて。
そして、最早「ラノベでロボットイラストといえば?」と聞かれたら、上位にランクインしそうなイラストレーターになりつつある黒銀さんのメカニックデザインが素晴らしいこと。タイトルとタイトルロゴに惹かれたものの少し買うか迷ってたのを、背中を押したのは黒銀さんの口絵でした。というか、改めて見てもタイトルロゴ凄くいい。これフォントであるのかな。
そんなわけで、なんだかんだと楽しんだ本作ですが、気になるのは続くんだろうか、というところ。個人的には、もう少し五雁とマリィ様のことを見ていたいところです。
あと、作品には直接関係ない話なんですが、2011年はテッカイオー(大賞)、2012年は本作(優秀賞)と、毛色の違いながらも巨大ロボットモノに賞を与える、いやベクトルが違うからこそ、とも言えるのかもしれないが、スーパーダッシュ文庫はスーパーロボット文庫にでもなるつもりなんです? なにそれかっこいいので是非お願いします。

六花の勇者 3/山形石雄,宮城

魔神を倒す為に集うという6人の勇者が7人集まってしまったというところから幕を開けるファンタジー×ミステリ第3巻。『このライトノベルがすごい! 2013』でも堂々第3位にランクインし、注目度高まる3巻でしたが、ますます目が離せない内容になっております。
今回は、2巻の最後に出てきた彼女と、その彼女と縁が深い彼のお話になっとるわけですが……と、何を書いていいものやらあれこれ悩みながら、書いています。キャラ名すら出したくないレベル。いや、何を書いてもネタバレになりそうで、そのことでこの作品を読んだ時の楽しさを損なってはいけないと、正直、上記のようなことも書きたくないくらいで。はぁ……どうするか、といった次第で。まぁウチのサイトくらいのアクセス数ならあんまり気にする必要ないだろうけど。出たの年明け前だし。まぁこれ以上は内容そのものについてはやっぱり書かないけども。読んでください! で、呑み屋とかでお話してくれる人プリーズ。
さて。個人的な山形石雄さんの作品のイメージなんですが。ここがクライマックスだな! さぁ解決編だー! と思えば、まだあったーこれがまだあったーと提示され、ふええどうなるんです? と気になって半ば強制的にページを繰る手が止められない、あの感覚。これが個人的な山形さんの作品のイメージなんですが、今回もまぁページを繰る手が止まらなかった。二転三転するそれぞれの関係性と展開。刻々と変動する局面に読んでるだけのこちらが圧倒される。
思えば、戦う司書シリーズもそんな風だったなー。読み始めたのはもう終了した後だったんだけど、たまたま図書館戦争シリーズを読み終わって、そのテンションのまま、司書さんの話を読みたいなーとか思って手にとったんだけども、思てたんと違う! と激しく思いつつもw、気づいたら全巻読み終えてた。戦う司書シリーズ読み返したくなってきたな……。
そして、最後は新展開の萌芽を残しつつ……と思ったら、またこれ気になってしゃあない終わり方。2巻が4月で3巻が11月だから、次は初夏の頃……と思っておこう。……やはり、コミカライズでも読んで待つべきかのう……。
あと、ドズーが頗る可愛いんだが。これどこで会えるの。しかし、少女に魔法少女の契約を迫るアレにも似てるような気もしないでもない。ハッ! ではあの娘はまほうしょうj

覇道鋼鉄テッカイオー 2/八針来夏,Bou

宇宙を舞台に繰り広げられるスーパーロボット×童貞×武侠小説第二巻!!! スーパーロボットに乗るパイロットたちはこうでなくてはならん、と思わさせる暑苦しいまでの熱さ。スーパーロボットktkr! とはこのこと。
それにしても、やはり悪役が凄い。正義と悪が対決するタイプのこのお話で、悪役の敵側がこれほどまでに魅力的なのがこの作品の熱さを引っ張っている一因なんだろうな。何か人間的な弱さ故に悪を為す……勿論、そういう一面もあるにしても……悪が悪を為す格好良さを体現したような悪役、これが正義の主人公たちの魅力を更に引き出すし、それだからこそ悪役もまた引き立つ。格好良さの相乗効果。格好良さスパイラルが引き起こしまくりスパイラル。そんなキャラクターたちが熱く繰り広げるバトルたるや、燃えいでかっ。
また、肝心のスーパーロボットもたまらんですな。主人公のスーパーロボットである鉄塊凰(テッカイオー)の〈根性による自己復元機能〉ルビ:ガッツ・リバイバルも凄いと思ったが、なんだよ、今回の敵が繰り出した〈大陸間弾道鉄拳〉ルビ:オービットナックルって。なにそれかっこよすぎる。どんなロケットパンチなんですかそれ。なにそれかっこいいメーターがレッドゾーンすら振り切ったまま戻ってこないですよ。スカウターならボンッて壊れてラディッツが驚愕の顔を浮かべてるレベルですよ。
そして、そんな敵やスーパーロボットに負けない魅力を持つのがルゥランちゃんでした。この巻ラストあたりのカザンのやりとりは終始ニヤニヤさせられました。何気ないやりとりなんですが、ホントにたまんないですね。
それだけに、今回カザンに突きつけられた問題の行く末がとても気になります。ある意味、今回カザンが突きつけられた問題って、物語に大団円を迎えさせたら有耶無耶に終わらせてもあまり気にしないことだったと思うんです。そこを敢えて描かれるのだろうというのは、とても楽しみです。
そんなわけで、とても熱く燃えに燃えて、先の展開がこの上なく楽しみになる、大満足の2巻でした。3巻も期待しています!

ベン・トー 9.5 箸休め 〜濃厚味わいベン・トー〜 /アサウラ,柴乃櫂人

従妹に奢我がいない世界線に何の価値があるというのか。しかしいない。何故だ。それはこの世界には何の価値もないことを意味するというのに……!
さて、『ベン・トー』箸休めももう三冊目。その濃ゆさはとどまることを知らないどころか、巻を重ねる毎に濃厚になってきており、サブタイトルの濃厚味わいベン・トーに全く嘘偽りのない内容。「嘘・大袈裟・紛らわしい」を掲げ日々戦うJAROも安心である。あのCMって最近見ないけどJAROってまだ機能してるの。広告ではないかもしれないけど、嘘で大袈裟で紛らわしいこと書いたりして利益受けとってる人とかサイトとかあると思うんですが。
全然関係ない話した。さて、そんな濃厚味わいな今回のベン・トー。通常シリーズにおけるアレな部分をさらに煮詰めたような濃縮物になっている。具体的には今巻の表紙にもなっている白粉と白梅、そして、いつものことといえばいつものことだがw、佐藤と奢我。このペアについてのお話が前面に出てる印象。あ、でも槍水先輩の甘塩っぱい感じの過去もあったりしたか。なんともたまらん11章でした。
特に白粉と白梅のお話はたまらなかった。冷静に考えてみれば、何でもない話といえばそうなんですが、二人のキャラクターと関係性をよく感じられるお話で、読み終わった後にキマシタワーが建立されました。それにしても、アニメ放送の後ぐらいからか、白梅の可愛さと色気はうなぎ上りな気がする。9巻のアレとかたまらんかったですし。今回はそういうのは薄いですが、白梅のキャラがまた奥深くなったと思います。また、白粉の話の絡みで章の幕間的に『ANの5時の読書会』というコーナーが2ページほどで挿入されているのですが、これがまた濃ゆい内容でしたw
で、佐藤と奢我ですね。まぁ通常営業といえば通常営業なんですけども、それ故に。ですねw 佐藤爆発しろとはこのことで。「従妹だけど奢我だから関係ないよねっ」みたいなことですか。あああああああおれも奢我の従妹に生まれてええええええええ。今、人生で最大に自分の従妹のこと憎んでますね。お前ら何で奢我じゃねーんだ。……おい、やめろ、俺の同級生の友達と結婚するな。同級生がある日、いきなり親戚になるって知った時、凄く微妙な気分になったなぁ……。俺も早く結婚しようとは一欠片も思いませんでしたが、正月とか田舎に帰りたくないなーと思いましたね。つーか「結婚式見ると結婚したくなるよね」とか言う奴バカなの? 死ぬの? って思います。……何でこんな話になった。佐藤は奢我より早く結婚するか、いっそ奢我と結婚するんだ! そんなんいやだ俺が奢我と結婚するんだから……!
そして、濃厚味わいベン・トー柴乃さんのイラストもとてもパワーアップしております。やはり、コミカライズをやってる好影響ですよね。特に本文の挿絵に関してその好影響を強く感じます。
さて、短編集ながら、いつも通りというより、ある意味ではいつも以上に分量も中身も濃厚で、大変満足度の高い短編集でした。もう3冊目だけど、正直、これ箸休めになってないよね。こんな箸休め出てきたら困るわw

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