水木しげ子さんと結ばれました/真坂マサル,生煮え

真坂マサル
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
¥ 620
(2014-02-08)

第20回電撃小説大賞20回記念特別賞受賞作。
電撃小説大賞の20回記念特別賞、というのがどういう位置づけになるのかわからないんだけどw、作品自体はとても面白かったです。
どういった作品なのかというところですが、転校初日で死体を埋める穴を掘る場面からスタートする小説と言えばいいだろうか。
実のところを言えば、この作品、買うにあたって、タイトルにある「水木しげ子さん」というのは、所謂、漫画『君に届け』の「サダコ」的なアレで内容的には甘酸っぱくてラブい、そういうのをラノベに再構成したような、そんな作品なんじゃないかと、そんな風に思って買ったわけですが……そんなわけはなかった。
帯に入間人間さんが「これが大賞じゃない? 相変わらず、見る目のない連中だ」って書いてるじゃんなー。
今にして思えば、なんでそんな思い違いをしたのか……。

さて、そんな主人公である楠見朝生が死体を埋めるための穴を掘る場面からスタートする本作ですが、その傍らには埋める死体を弄くる少女・水木しげ子さんが。死体の腸を弄ぶ彼女を朝生が見つめることに気づき聞いてくる、「あっ、おやりになりますか?」……なんという優しさか。何かに夢中になってる時にも気配りができるとか、しげ子さん天使か。
そんな天使のしげ子さんの左手小指から伸びる赤い糸が。あることがキッカケから特定の人に赤い糸が見えるようになった朝生は、その糸が自分の左手小指から伸びる赤い糸と繋がっていることに気づき……といった始まり方。
ここまで読んで、おや? と思われた方、少しだけ、ほんの少しだけおられるかもしれません。確かに、しげ子さんは死体を弄ったり、メスを常備していたり、食虫植物育てたりしてるけど、ヤンデレとか、そういうんじゃないです。ちょっとアレなだけなんです。ちょっとアレなだけで、とても可愛い子なんです。
断言しよう、しげ子さんは天使だと。
そういう意味では、最初の思い違いもあながち間違いではなかったかもしれない。君届のサダコは、祖父祖母から見た孫のような可愛さを持った女の子、というイメージで作られたキャラクターだ、というのを見た覚えがある。そういう視点でいくと、しげ子さんもそういった趣がある可愛さである。
まぁそんな朝生としげ子さんが出会い、学園生活を送る中で遭遇する事件と赤い糸に翻弄されながら紡がれる……なんだ? ラブストーリー??? しげ子さんかわいいよ!
あと、赤い糸についてですが、わかると思いますが、まぁ恋愛的な「運命の赤い糸」ではないです。まぁカバーのあらすじに書いちゃってるので、書いてもいいんですけど一応やめときますw

生煮えさんのイラストもよかった。まぁ主にしげ子さんのことですが。不気味ながらも美しい、という特徴が凄くよく出ていて、本を開いて目に飛び込んでくる口絵や、本文でのしげ子さん登場の挿絵がとても印象的。

装丁もかなり気を使ってやってるなぁという印象。白黒赤でまとめた表紙デザイン。タイトルロゴも、アンバランスな感じも作品にマッチしてる。本文も段落の数字が妙に下にあったりとか、凄く雰囲気ある。まぁ電撃はだいたい気を使ってるといえばそれまでだけども……今回はとても作品と上手く噛み合ってると思ったので。

というわけで、自分でもびっくりするくらい面白さが伝わってる気がしないですけど、本当にめちゃくちゃ面白かったし、大好きです。
あとがきに、「次巻も手に取っていただければ」という文面があるので、めちゃくちゃ楽しみに待ちたいと思います。
ああ、ホントしげ子さんかわいい。

男子高校生で売れっ子ライトノベル作家をしているけれど、年下のクラスメイトで声優の女の子に首を絞められている。I ─ Time to Play ─ 〈上〉/時雨沢恵一,黒星紅白

タイトルなげえよ!w 一時期流行り流行りと言われた長文タイトル、どころの話じゃないw ……略称なんですか(切実)

さて、時雨沢恵一さんと黒星紅白さんというある意味お馴染みのコンビで贈られるこのライトノベルですが……長いタイトルが示す通り、高校生ラノベ作家とそのクラスメイトのJK声優のお話。そして、そのタイトルのままに、首絞めスタートの幕開け。JK声優に首を絞められるなんて最早ロマンを感じるタイプのドMの人は……まさにクビシメロマンチs
高校生ラノベ作家が、どうしてJK声優に首を絞められることになったのか……電撃小説大賞に応募するも色々な事情があり受賞はならなかったものの、所謂、拾い上げという形でラノベ作家としてデビュー。売上げも好調でアニメ化も決まり……という、ラノベ作家としては順風満帆であるが、その為、色々なことを考慮し高校は1年間休学することに。復学するにあたって、出席日数の厳しくない私立の高校に入り直したその先で出会った似鳥絵里は、彼の執筆したラノベのアニメの出演者だった。2人はお互いを作家と声優という立場を認識した後……と、首を絞められながら走馬灯のように思い返されていく。
話の中で、ライトノベル作家、その業界のこと、小説のあれこれや創作するということなどが語られ(勿論、誇張やあえて語ってないことなど色々あろうが)、ラノベファンなら思わずふむふむと興味深く読んでしまうのではないだろうか。そのへんは非常に面白い。
また、そういうことだけでなく、2人の掛け合いは小気味よく、読んでいて楽しい……楽しいのでどんどんと読んでいってしまうのだけど、そうやっていると残りページの少なさに気づく。あれ、なんで首を絞められているのか全くわからないぞとw
最初買った時は長過ぎるタイトルに気を取られて全然気づいてなかったのだけども、これ「I」とか「上」とかついてるのだなw くっそー、次も買うしかないじゃないかw

イラストも流石ですな。われらがようじょのひかりをじゃなかった、我らがズヴィズダーの光をあまねく世界に! が話題の、言わずと知れた黒星紅白さんですが、表紙の似鳥の麗しさときたら。 本文でもその可愛さを十二分に発揮されとります。

あと、カバーの裏面の遊びも非常にポイント高い。こういった演出自体は近年目新しいものではないとは思うけど、『ラノベ』が題材なだけにとても映える。

そんなわけで非常に面白いラノベでした。下巻もすぐに出るらしいので、早く続きが読みたくて仕方ありません。

エスケヱプ・スピヰド 伍/九岡望,吟

電撃文庫の誇る巨大ロボット神速バトルアクション、5巻。映画張りの激渋表紙からの、裏表紙は遂に《甲虫》勢から鍬形! かわかっこいい!!
その気合いの入った表紙に後押しされるように、本格化する鬼虫 vs 甲虫に蜂の復活で、面白さは熱を上げてスピードアップされる。そして、帯にもある通り、ついに壱番式・竜胆が戦線復帰で更に加速。このままでは、読者がスピード狂になってしまう……!

そんなわけでエスケヱプ・スピヰド5巻では、甲虫の本命(?)であるクワガタがついに登場。鍬形という位置づけ、乗り手である朧の叶葉との過去の因縁からするに、九曜・蜂といろんな意味でライバル関係にあると見ていいのかな。今回も非常に熱いハイスピードバトルを繰り広げてくれていますが、この関係性は先々も楽しみすぎです。
その朧を始め、いろんな人の過去が少しずつ明かされながら過去の大戦から現在に繋がってくるのは、あの納まりのよかった1巻から、よくここまでもってきたなぁと関心する。いやもうホントに、1巻がいい感じの終わり方だったので、当初は続ける必要なかろうと思ってたんだけど……そんな続きが面白くて仕方ない。アホなこと考えてた過去の自分に土下座させるしかない。

それにしても、クワガタはやはり燃えるな。もう、クワガタという、それだけで大勝利してる感ある。オニヤンマやスズメバチもかっこいいけど、やはり甲虫……さらにクワガタとなると、男子のテンション爆上がりだよね。
見るとテンション下がることもあるのであまり見ないけど、虫バトルってあるじゃないですか。虫を戦わせるやつ。アレでもクワガタが出てくるとそれだけでちょっとテンション上がるもんなぁ。
カブトムシとかクワガタって樹液とか飲んで暮らしてるし、毒とかも持ってないし、闘争本能自体もあまり強そうにないので、実際は大して勝てないのではと思ってたんだけど、固い外殻と高い馬力というスペックの高さで、割と強い。ヘラクレスオオカブトがデカい毒蜘蛛をぶっ殺した場面は戦慄した……。
そういえば、この作品で最強の鬼虫となっている蜻蛉だけど、オニヤンマはスズメバチを捕食することもあるのだとか。この作品でも言及されてるけど、やはりあの飛行能力は凄いみたいで。
そう考えると虫って怖いよな。身体能力のスペックが高すぎるというか。毒持ってるのも少なくないし何メートルクラスのデカい虫がいたら恐怖すぎる。巨大な虫が出てくるスチームパンクや、巨大な虫にヤラれる巨大ロボットモノのラノベはまた別の作品ですがw、戦闘ロボットに虫をモチーフに使いたくなるのもよくわかる気がする。

吟さんの挿絵も素晴らしい。気合い入りまくりの表紙絵は勿論だけど、今回の目玉は何といっても口絵。過去の鬼虫、九番式たちのイラストなんだけども、竜胆・巴・剣菱の3人の絵は、もうこれだけで何か胸に迫るモノがありますな。からの、本文の157頁……吟さん、気合い入り過ぎや……!

と、相変わらず最高に面白いエスケヱプ・スピヰドでした。次はこの巻でもちょくちょく出てきた柊がメインかしら。
続きも楽しみです。

安達としまむら 2/入間人間,のん

入間人間
アスキー・メディアワークス
¥ 578
(2013-09-10)

入間人間版ゆるゆり2巻……なのか? それはわからんが、しまむらが好きすぎる安達なライトノベル『安達としまむら』2巻。
今回はクリスマス回。しまむらとクリスマスを過ごしたくて一緒にいたくて仕方ない安達が、アレコレ考えながらそうこうしながら正月を迎えるまでが描かれる。
「友達としての好き」なのか、「恋愛としての好き」なのか、両者共に図りかねてる2人の距離感はもどかしくも心地よく、なんとなくこのままの2人でもいいのではないかとも思うけれども、それだけでは終わって欲しくないという気もするわけで、読んでる方ももどかしい気持ちを抱くというw
そういう意味では……いや、どういう意味だ、これ。ともかく、この巻の最後にタイトル通りに挟まれた(?)『真剣なおっぱい』で、何かに気づいた安達の今後に大いに期待したいところです。どういう意味かはわからんと言っちゃったけど、何かとても安達に期待したくなる最後なんですよ、これは。うん。
そして、今回また凄いのは、おまけ。日野と永藤、ヤシロとしまむらの妹のアレコレが本編に挟まれる形で短編にて描かれているわけですが、日野と永藤がもうたまらん出来です。こちらはある意味では、安達としまむらとは逆の2人。
安達としまむらは最近出会ったながらも、フィーリングがとても合う2人としての関係と、その距離感うんぬんかんぬんという感じなわけですが、日野と永藤はフィーリングもバッチリで付き合いも長い為、2人の距離感がどうこうでなく、どういう2人なのかを2人で確認しあうとでもいうのか……最早、熟年の夫婦のような……あ、夫婦って言っちゃったね。
あと、こういう時、「どうでもいいけど」とつけちゃいがちだけど、どう考えてもどうでもよくないことなので強くリクエストしたいんですが、日野のパートナーであり、肉屋の娘、永藤のイラストまだですかね。日野は1巻で出てきたけど、肉屋の娘、永藤出てきてねえぞーと。日野もないなら納得できるけど、日野だけあって肉屋の娘、永藤がないのは納得しかねる! あり得ないですよ。肉屋の娘ですよ、肉屋の娘。そろそろ肉屋の娘って書きたいだけになってきてるけども、肉屋の娘というのは大事ですよ。
肉屋の娘の話はこのぐらいにしておくとして、少年アシベにおけるごまちゃんの位置に収まるのが、このお話の安達になると入間さんが適当な感じであとがきで仰られてるので、最終章にておっぱいに気づいた安達が3巻でしまむらに抱えられた時にどんな反応するかに注目することを忘れずに3巻を待っています。

葵くんとシュレーディンガーの彼女たち/渡会ななみ,もぐも

ざっくり言えばパラレルワールドのお話、ということになるか。
まぁそうなるとタイトルは勿論『シュレーディンガーの猫』絡み、ということになりますな。観測者がどうたら多世界がどうたらという話をWikipediaでも見た気がするので、そのへんの話を絡めてということもあるんでしょうか。
正直、『シュレーディンガーの猫』の話は「なるほど、わからん」し、ヒストリーチャンネルやナショジオで宇宙の番組とか結構よく見てるので、量子力学とかその考え方とかもちょくちょく出てくるんだけど、出てくる度に「なるほど、わからん」と思いながら、わかってる体で見てるのでアレなんだけどもw、この作品はとても面白かったです。あ、作品の中ではあまり小難しい話はありませんので、そこはご安心を。

主人公は寝るのが大好きな高校生・葵。彼は朝起きるとまず隣の家のカーテンを確認する。水玉のカーテンか、ストライプのカーテンか。それは、眠る度に別の世界になってしまっているから……というような始まり方。
ヒロインは勿論、それぞれのカーテンの主、つまり幼馴染である。これに関しては、生きている状態が半分死んでいる状態が半分で重なり合っているということはなく、幼馴染ヒロインが半分で幼馴染ヒロインが半分なので、あっちに行ってもこっちに行っても幼馴染ヒロインが重なり合っている状態なわけで、幼馴染天国なのである。シュレーディンガーの幼馴染ヒロイン[完全版]である。不備がない(?)。そういう意味では、幼馴染ヒロイン好きは是非読むべきであるとも言える。
えーと。まぁとにかく、量子論的な考え方であったり、多世界解釈であったりをライトノベルに落とし込んで(それが正しいかは自分にはわからないけれど)青春とSFが上手く結びついて面白い物語に仕立て上げられていて、読んでいてとても楽しかった。
最終的なオチもよかった。とてもいい着地点なのではないかなぁと思って、個人的には凄く好感度高い。
続きが読みたい、という意味ではないけど(続きはいらないという意味でもないけど……たぶん、このお話はこれで終わりだと思うので)、葵と彼女たちが将来どうなっていくのか、というのは気になるなぁ。考えるだけで、読者なだけの自分の胃が痛くなる思いである。

そんなわけで、ライトノベルなSFが好きな人には是非オススメしたい1冊。
そして、幼馴染ヒロイン好きには更に強力にオススメしたい、というか必読ではないかと思う。
幼馴染ヒロイン大勝利の世界の素晴らしさたるや。

エスケヱプ・スピヰド 四/九岡望,吟

昭和101年の八洲国を舞台にした、少年と少女の物語、第4巻。
奪われた蜂と蜻蛉、活発化してきた甲虫式の面々、星鉄を得たことで復活の目が見えてきた鬼虫と中央に潜む内通。継続された3巻の状況から導き出されたのは……怪獣いや怪虫大戦争!
何でや!w 最高に燃えたけども!w

今回は、以前にもチョロチョロ登場してた四番式《蜈蚣》の井筒と、表紙にもチラリと登場している少女久留守を中心として描かれる。今回はこの2人が凄すぎて、もうそれだけで600円取り戻すどころか倍くらい払ってもよかったと言えるレベル。
まず、4巻では口絵で井筒がどういった外見なのか知る(キャラ紹介のように描かれている)わけですが、もうここであっさりノックアウト。今風のちょい洒落たヤンキーノリの髪型で三白眼、武丸バリの「!?」顔してて、もうあかん。これまで登場したシーンでのチンピラっぷりと、このルックスはツボすぎる。この巻を読んで、更に好きになってしまった。
更にページを捲ると3巻で活躍(?)した甲虫式の日足のイラストも公開。軍服ショタオーバーニーソ完備って捗り過ぎるやろ。そして性格はドS。これは勝つる……!
更に更に、次のページにはド迫力の蜈蚣イラスト。誰か立体化して!!!
と、口絵を見終わった時点で既に600円取り戻した感ありましたねw

勿論、内容の方も抜かりなく。
内通者を含めた甲虫式との駆け引き、奪われた鬼虫の奪還作戦、鬼虫と甲虫式のそれぞれのそれぞれに対する想い、そして、4巻クライマックスの怪虫大戦争!!! 最高に楽しかった。
このシリーズはバトルがとんでもないド迫力で小説で読んでるだけでも凄いけど、ちょっとアニメで見たくなる作品だなぁ。まぁ映像にすると、巧くやらないと逆にガッカリすることにもなっちゃいそうだけど……でも、鬼虫が、甲虫式が、画面で大暴れするところが見てみたい。
と、それと共に描かれる人間関係もたまらなくて。4巻終盤の食事シーンなんか、もうずーっとニヤニヤしながら読んでしまう始末。そこに添えられた挿絵も、別になんてことないシーンなんだけど3分ぐらい見入ってしまうほど。その後の叶葉と九曜の行動も含めて、クライマックスのバトルと同じくらいに心に残るシーンでした。
カレーは甘口もイイよね。

そんなわけで何もかもが大満足の4巻でした。5巻、早く読みたいです!!!

エスケヱプ・スピヰド 参/九岡望,吟

昭和101年の八洲国にて、かつての戦争を主力として戦った鬼虫の少年・九曜と、20年を経た戦後を共にすることになった少女・叶葉の物語、3巻。
今回は九曜の過去が段々と紐解かれながら、本格的に活動しだした鬼虫をモデルにした甲虫式らとの壮絶な戦いが繰り広げられる。また、味方としては尽天から菘が来て、おっぱい要員も確保。ますます楽しい展開になっております。

特筆すべきは、やはりバトルでしょう。特にカーチェイスしながらのバトルは「手に汗握る」という言葉そのもの。熱いアクション映画を見てるかのようなスピード感と温度。決着の場面はいい意味で溜息が出ました。
キャラ的にはやはり菊丸師匠と鴇子嬢のお二人。2巻でも素晴らしかったけど、今回も。お二人は見ているだけでほっこりほこほこさせてくれる。互いを気遣いながら、それに無理や煩わしさを感じさせない部分は長年の夫婦のようだけど、それを鴇子のキャラが可愛さをプラスすることで初々しさがあって、非常に見ていて楽しい。
更に、菊丸師匠については単体でもバトルの見せ場がまたたまらんところ。肉弾戦に加え、276ページの“──来い”とかゾクゾクさせられました。また、九曜は勿論、一般(?)の機械兵とのコミュニケーションなどもあって、それも楽しいところ。
それにしても、虫ロボットはかっこいいすなあ。今まで出てきた鬼虫や未登場の鬼虫は勿論、本格的に活動し始めた甲虫式もたまらん。絵が、イラストを早くそれぞれじっくり見たいところです。巻末オマケとかで設定画とかつけてくれませんか……? 次巻登場するのは蜈蚣ですかね……早く見たい。もう4巻出てるから見るけどw

と、3巻は3巻で一応一段落しながらも事態は継続中、という感じで4巻へと。ここまで積んでたのは後悔しまくりだったけど、続きはよ! と楽しみながらももどかしい気持ちにならないのはありがたいw 空に地下、地上ときたからには、次は海ですかね。つまり水着回……? 何にせよ4巻、これから読むのが楽しみです!

エスケヱプ・スピヰド 弐/九岡望,吟

積んで、もう1年も経ってたか……。
1巻、めちゃくちゃ面白くて好きだったんですが、あの時点で完成されていたとでも言えばいいのか、あまり続きを読むモチベーションが保てなかったのだけど、好きなことには違いないし……と、読んでみたら凄く面白かった。積んでてごめんなさい。

「昭和」という年号を冠した国の「米帝」との戦争から20年経た国の、かつて「兵器」として活躍した少年兵と、「今」を共にすることになった少女の物語、2巻。
1巻のあれこれを終えた後、自国の「今」を知る為に旅に出た九曜と叶葉は帝都《東京》に出る。東京は、かの戦争の末に廃墟となりながらも人が集まり、復興の兆しを見せていた。そんな中、第3皇女を名乗る鴇子と出会い……というような感じから、謂わばエスケヱプ・スピヰド第2部のスタート。
初めにも書いた通り、この作品は1巻の1冊での完成度が高く、続きいらんのじゃないかと思った……過去の自分を殴り殺したい。本当、余計なお世話なこと極まりないわ>自分
1巻で見せた造り込まれた世界観から巧く続きを捻り出していて、どんどん物語に惹き込まれる。
いやあ、やっぱりいいですな、この世界観。レトロとテクノロジーを上手く一体にさせたこの雰囲気はたまらない魅力があります。スチームパンクだとかSFファンタジーだとか、ああいったモノに近い魅力を感じます。
それに付け加えて虫のロボットですよ。虫って、大きくなったら最強だと思うんですよね。この物語で出てきた虫だと、1巻では蜻蛉に蜂ですが、蜂はもう言わずもがなですね。蜻蛉については、素人目から見てもその飛行能力と滞空能力には目を見張るモノがあって、何であいつらがあんなに飛べるのか不思議でなりません。しかもオニヤンマなんかは、時にスズメバチを捕食したりするそうですよ。なにそれすごい。
で、今回出てくる虫ロボットは蜘蛛と蟷螂。もうちょい出てくるけど、それは口絵にも載ってないのでとりあえずここでは置いておきます。そんなわけで新キャラとして、鬼虫も2人、弐番式・蜘蛛を駆る巴と参番式・蟷螂を駆る剣菱が新登場……ていうか巴さん和服ではいてないくてヤッター!!!
また、何よりほっとけない新キャラは第3皇女の鴇子と、その護衛機械兵の菊丸。鴇子は麿眉。もうこれだけで……わかるな? という話である。麿眉は神である。つまり、麿眉を愛することは神への愛。尊きことなのだ。
その鴇子に仕える菊丸も。今回のお話はある意味では菊丸の物語だと言っても過言じゃない。終盤とかもうね。涙とか鼻水とか奇声とかもう色々出てヤバかった。こんなんたまらんわ。
そして、そんな2人が本当にイイのです。お転婆皇女と護衛する寡黙で巨大な機械兵のペアって絵面だけでもたまらんのに、その関係性がたまらなくイイのです。もうそういうの好きな人には絶対読んでもらいたい。
再会した鬼虫の2人もいい。まだまだ底が知れない感じの2人だけど、鬼虫たちがそれぞれのことをどう思っているのか、もっともっと知りたくなる。

とまぁそんな感じで、楽しみまくった2巻でした。続けて3巻読みまーす。

ミス・ファーブルの蟲ノ荒園/物臭純平,藤ちょこ

マスケット銃がカルバリン砲とな!?

青臭さと苦味を感じさせながらも、熱くワクワクさせてくれる良質なボーイミーツガール。凄く面白かった。
舞台は、19世紀のフランス。 18世紀に発生した巨大な〈蟲〉によって引き起こされた混乱と、その死骸から得られる膨大な化石燃料が人類にもたらされ、それによって発達した社会のお話。こう聞くと割とSF的なのかなと思われるかもしれないけど、魔術なども生きている世界で、どちらかというファンタジーかな。
それにしても、空飛ぶ蒸気の乗り物と巨大な蟲の組合せのそれは、どうしてもナウシカ的なそれを彷彿とさせるが、まぁこういうファンタジー×SF的な世界観は……とても大好きですw
そんな舞台の主人公は開国した日本から、良家の武士の家に生まれ、兄の薦めによって渡欧してきた秋津慧太郎。本を開き口絵のピンナップに載ってる秋津ケイという美少女をニマニマしながら見つめつつ本編に入ったw 今回、残念ながら主な部分での“ケイ”の活躍はそれほどでもなかったけど、最後にきっちり仕掛けてくれましたw そちら方面の活躍の期待は次回以降を楽しみにしよう。
ヒロインはタイトルにも「ミス・ファーブル」とあるように、ファーブル博士の美少女化、ですかね、アンリ・ファーブル。ナウシカの世界にあるようなメーヴェとガンシップの間の子のようなイメージの飛行機を駆り、銃と魔術を操りながら、この世界に発生した〈蟲〉を愛し、研究する女の子。冒頭のアンリはまんまナウシカじゃないかと思ったがw、お姉さんキャラのよく似合う感じがとてもイイ。
正直な話、読んでいて慧太郎の正しさ……青臭さは時に本気で苛立ちすら覚えるほどなんだけどもw、読み終わってみると嫌な感じはしない。ああいった慧太郎の感情があればこそのクライマックスの読み味なのだろうな、と思える。

また、藤ちょこさんのイラストも素晴らしい出来。藤ちょこさんの絵は色とディテールが面白くて、見ていてとても楽しい。

そんなわけで好みな雰囲気もあり、とても満足感の高い1冊でした。一応、お話としては1巻で形にはなってると思います。が、既に書いたけど“ケイ”が最後にやらかしてくれたのも含めw、なんとも続きが楽しみになるあれこれも仕掛けられてる感じで、続きを読みたくて仕方ないので2巻お願いします>電撃文庫

無限のドリフター 世界は天使のもの/樹常楓,崎由けぇき

電撃発売日ということで本屋を覗き、まぁ今月はゲーム戦争の5巻くらいしか買わないんだけど〜と思いながら電撃5月刊の平積みを見ていたら……目が合った。
歪な骨だけの羽根を背負いながら魅力的な瞳の少女の可愛らしさはさることながら、間際の太陽に赤く染まる空と、星々が瞬く青い夜空、その色彩を反映する雲々。このグラデーションの美しさときた。そのまま表紙に惹かれてレジに持って行ってしまった。正直、買う予定にはなかったんだけど、読み終わってみて、買ってよかったと思わせてくれました。

遠い未来、世界は荒廃し、少数のエリートたちは空中都市へと移住。機能しなくなった地上に取り残された人々は、地を這うような生活を余儀なくされる。そんな中、生きる為に人を殺すのも厭わなくなった少年が、ある日、歪な天使に出逢うことから物語が転がり始める。

内容的にはSF×ボーイミーツガールといったところでしょうか。
読んでいて、作者は相当SFが好きなんだなぁということはよくわかるw そのへんは少し助長というか、まぁもう少し抑えてもよかったのではないかとは思うが、とはいえ、そのSF好きな部分がよく活きていることもあるので、まぁなんというか。SFって素晴らしい、みたいな話になってしまうのか。うん、違う。
具体的には、物語の1つの設定である〈ティスの花〉。これが面白くて仕方ない。どういうモノなのかは、是非読んで知ってもらいたいが、個人的にはこれが楽しめただけでも十分にお金を出して読んだ甲斐があった。
実はこの作品、作者は新人で、なのに賞をもらっていない、ということから察してもらえると思いますが、電撃大賞2次落ちの拾い上げということらしく。まぁそれ自体は別にままある話ですが、この作者、長編を書いたのはこれが初、とのこと。小説家のお仕事について詳しいことを知らないのですが、そういうものなのでしょうか……。
確かに、先程書いたティスの花以外にも面白い部分はあるにせよ、正直な話、全体として見た時に、うーん、どうかなぁという部分もなくはない。が、なんか惹かれる魅力がある。と、まぁそういうことなんでしょうね。

そしてイラストもよかった。一目惚れした表紙は勿論、口絵や本文もいい感じでした。崎由けぇきさんは、担当の他作品(ゲーム原画や漫画)には触れたことがなく、全くの未見かなぁと思ったら、pixivで可愛すぎて穴があくほど見てて、薄い本めちゃくちゃ欲しいなぁと思ってたお方でした。なるほど、どおりでw というか、自分の記憶が端から容赦なく消えていってる感覚に怒りを覚える……年か……。

そんなわけで、この作品の続刊なのか、また別の作品なのかはわかりませんが、今後に多大な期待を寄せて、次回作を待ちたいと思います。本当に、本当に、お願いします!

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