時の悪魔と三つの物語/ころみごや,かぼちゃ

第7回HJ文庫大賞受賞作。
ストレートにタイトル通りな時を駆ける悪魔とそれに纏わる3つの物語のお話。
構成として、それぞれ主人公の違う3つの連作短編のような形式をとり、その3つの関係性とでもいうか、ある種群像劇的に1つの物語を紡いでいて、それでいてわかりやすく読者に提示できているところはお見事という他ない。タイトルでもわかる通り、時間を操作する話でもあるので、このわかりやすさというのは武器かもしれない。

3つのお話はそれぞれ恋のお話になっていて、1つ目の『トキの砂』は物書きとして、次の段階に進む為に旅立った少年とその帰りを待つ少女のお話。2つ目の『旅籠姫』は独り立ちする若者が両親に譲り受けた旅籠屋で少女に出会うお話。3つ目の『時を駆ける悪魔』は時の悪魔と同じ名前を持つ女性とその夫のお話。
それぞれがそれぞれと交錯して、最後に収束していくのは読んでいて楽しかった。締めもいい感じに終わっていて、本1冊を読んだ満足感は高かったです。
また、それぞれのお話の個別で言えば、一番好きなのは2つ目の『旅籠姫』。主人公とヒロインの2人がもうホントにとても可愛くて、ずーっと見ていたい感じ。たぶん、3つのお話の中ではこのお話の時間が一番短いのだけど、とても濃密に感じた。
逆に言うと、他の2つはもうちょっとしっかり描いてもよかったのではないかと、少し思った。
先程も書いたけど、こういった3つのお話で1つの物語を構成している上に、お話の要素としても時間を移動するような作品でありながら、これだけわかりやすく読ませていて、更に言えばせっかくの大賞受賞作ですし、分量として……どうせなら400頁くらい、もっともっとガッツリ描かれていてもよかったのではないかなぁと思います。キャラの魅力をもっともっと引き出して欲しかった。

とはいえ、全体としては楽しく読ませてもらいました。
もう少し読みたい気もするし、締りがいいのでここで終わりがいい気もするのですが……まぁどちらにせよ、次回作への期待はしたいと思います。

Strange Strange/浅井ラボ,しばの番茶

浅井 ラボ
ホビージャパン
¥ 750
(2010-12-01)

浅井ラボさんの『されど罪人は竜と踊る』を前から読んでみたくて、つい先日のTwitterのタグで盛り上がったラノベオールタイムベストでも挙げてる人が結構いて、やはり読もうと思ったものの巻数も結構あって分厚いので、コケた……つまり自分に合わなかった時が怖いなと思って、とりあえず1巻しかないもの、しかも短篇集ということなのでこの作品『Strange Strange』に手を出してみたんですが……もうなるほど、というか。まず、これに手を出してよかったのかどうか……。いや、作品自体はとても面白くて、結果的にはされ竜を読むモチベーションは爆上がりなんですけど、いやはや……「暗黒ライトノベル」という異名は伊達じゃないなと痛感させられました。
先程も書いた通り、この作品は4編の短篇で構成されてるわけですが、台泰市という架空の都市周辺の出来事という意味で繋がっており(HJ文庫のもう1つの作品『TOY JOY POP』とも薄く繋がっているようです)、短篇集ではあるものの読めば通常の長編小説を読んだかのような満足感があります。しかし、これも先程も書いた通りの「暗黒ライトノベル」。スカッとするような読後感とは無縁で、読んだ後、満足感はあるもののなんともやりきれない気持ちをその体に宿すと思われます。

さて、そんなそれぞれの作品についてですが、1話目は『ふくろおんな』。所謂、Jホラー的な湿り気と気持ち悪さと救いのなさをラノベに直輸入といった印象。ラストは素晴らしいシーンでした。
2話目『ぶひぶひ♥だらだら』、あえて著者のあらすじ紹介を引用したい→「男子高校生が「え? 冴えない僕にこんな力が!?」と悪と戦いつつ、美少女たちとなんやらかやらのドキドキ学園ラブコメ♥」。ふ ざ け る な !w 個人的には、後味の悪さは過去読んできたモノで最高クラスに酷い。が、酷いからこそ響く話……な気がする。うん、これはこれでええねや……。それにしてもひでえ読後感だ……。
3話目『人でなしと恋』は、同棲する若い二人の話で、ぶっちゃけちゃうと片方は食人鬼です。血と臓物に塗れる二人の互いの愛情に何故か清涼感すら……あれ、おれ、これに感動して大丈夫か。また、異生物との共同生活みたいな面が、なんとなくSF的な表情があって面白い。
4話目は『Last Day Monster』。世界の終わりの日のお話。パニックホラー的ドキドキ感とギリギリ感が恐ろしくも楽しい……と思わせといての、で、ヤラれた。ミッシェルの『世界の終わり』でも聴いて癒されよう……。

と、まぁこんな調子でいい話は皆無と言っていい。全編グロ描写があり、出てくる登場人物も基本的にクソッタレどもばかり。もう、とっても、いい意味で胸糞悪い……と思ったけど、胸糞悪いにいい意味悪いってあんのか……? まぁニュアンスを感じて頂ければ。
でも、読んでよかったか悪かったかって聞かれると、よかったと言わざるを得ない。個人的に好きなのはやっぱり3話目だけど、特長的で凄いのはやはり2話目か。2話目の読後の粘りつくような後味の悪さ。でも、これは他の作品ではそうそう感じられない読み味だと思います。これを感じたいと思う人がどれだけいるかと言われると不安ですがw

まぁそんなわけで、され竜、読みたいと思います!!!

うちのクラスの頼りないラスボス 2/望公太,鈍色玄

お話の中で割り当てられた役割《脇役》の男の子が主人公と、役割《ラスボス》の女の子と、役割《主人公》たちの強敵に下克上していく、説明が非常にややこしい学園ラノベ、2巻!
今回はギャンブル回、とでもいうか。カイジ的なゲームをラノベに割と巧く落とし込んでる。メインとなるゲームは『魔女狩りゲーム』。

下地はババ抜き。形式としてはババ抜きなので、そのままやるわけだけど勝利条件が変わる。大雑把に言えば、ジョーカーを引き合うゲームではなく、ジョーカーを誰が持っているかを当てるゲーム。
カードを配布した時点でジョーカーを持ってる人間=魔女、と、それ以外=人間、に分かれる。人間のプレイヤーの勝利条件は、シンプルなところでは魔女が誰かを当てること。魔女のプレイヤーの勝利条件は、人間にジョーカーを引かせること、となる。
人間のプレイヤーはいつでも「魔女、見つけた」のコールを発することができ、そのコールと共にババ抜き自体は終了。コールしたプレイヤーは魔女が誰かを指名しチップを賭ける。当たった場合、コールしたプレイヤーが賭けたチップを魔女が支払う。外れた場合、疑いをかけられた人間のプレイヤーと魔女とで賭けられたチップを山分け。
つまり、人間のプレイヤーは自分を魔女だと思わせてコールさせるということも勝利条件の1つで、翻って、魔女のプレイヤーは自分以外の誰かを魔女だと思わせてコールさせること、も勝利条件となる。また、コールされることなく、魔女のジョーカーを人間が引いた場合、魔女の完全勝利。人間のプレイヤー全員からご祝儀をもらう。
最後まで、誰も「魔女、見つけた」のコールをすることがなく、ジョーカーが魔女の手に残った場合、人間の完全勝利となり、ご祝儀として人間のプレイヤー全てに魔女がチップを支払う。

こんな感じ>『魔女狩りゲーム』。わかりにくい説明だと思うけどw、まぁ気になる人は読みましょう。是非とも読みましょう。この魔女狩りゲーム、自分はちょっとやってみたいなぁと思ったので、読んで、もしやりたいと思えば付き合いますので。とりあえず、まずは『うちのクラスの頼りないラスボス』、読んじゃいましょう。
……やったことないけど、人狼とかこんな側面あるのかなぁ。まぁ、わからないw
さて、そんなゲームをやる相手は今回は役割《主人公》のキャラではなく、役割《准主人公》と役割《魔性の女》。ギャンブルがメインの回で、対決する相手が《主人公》ではないところがいいところ突いてくるなぁと。これ、たぶん《主人公》だとダメなんだよ。つーか、ギャンブルモノの物語の主人公って、ここぞって場面で凄い力発揮するんだけど、基本的なところでクソ野郎で最終的に身の破滅イメージしかないのでw
まぁ、そんな役割に沿ったようなキャラたちが、この魔女狩りゲームをとんでもなく面白くしていく。単純にメタ的な視点に立たせずに、メタを楽しませるとでもいうか。ああ、この場面でその役割が利いてきちゃうんだあああ、と、ホントにもうたまらなくエキサイティングに読ませて頂きました。
そして、この作品は日常パートとでもいうか、それぞれのキャラのやりとりがとても楽しいのがポイント高いと思う。涼希と塔ケ崎のやりとりが楽しいのは勿論なんだけど、「知っているのか、来手さん」がセリフがきたときの「キターーーwww」とか、そういうの、とてもたまらんのですよ。
あと、鈍色玄さんのイラストもどんどん巧くなっていて、今回、特にたまらなかったのは、塔ケ崎のデフォルメキャラ。もう、可愛すぎて、キュートすぎて、コピーして定期入れとかに入れて持ち歩きたいレベル。微妙にネタバレになっちゃうので、先に見ない方がいいと思いますが、167頁の塔ケ崎だけで持ってかれましたわ。
そんなわけで、はぁ……感服、と読み終わった後に利いてくる、冒頭の『蛇足でしかないプロローグ』。なんなの、あの人、こわい。先々、どうなっていってしまうんですか、このお話、と思いつつ、大満足の2巻でした。もう、続きが早く読みたくて仕方ありません。

もえぶたに告ぐ 〜DRAMATICK REVENGE STORY〜/松岡万作,如月瑞

第6回HJ文庫大賞奨励賞受賞作。
HJ文庫大賞の受賞作といえば、つい最近も『インテリぶる推理少女とハメたいせんせい』で話題になったばかりですが、今回のこれもなかなか。
お話的には、主人公のハラグーロ男の娘が幼馴染の冷徹少年に復讐する、というモノで、「萌え集めを手伝ってくれ」という萌えの妖精というキワモノまで出てきて、そして、タイトルが『もえぶたに告ぐ』。なんとまあ……としか言いようがないが、妙な面白さがあったからラノベを読むのはやめられない。
個人的には、ラノベにおける男の娘モノ、特に女の子に囲まれる男の娘ラノベというのには幻滅しており、いつもならこれもスルーするところだったんだけども、表紙デザインに負けた。このいかにもな可愛いイラストとぶっ飛んだタイトル、に、反するようなこの武骨にも見えるロゴデザインに、手にとるのを止められなかったw こういうシンプルなデザインだと女の子×白背景が映えまくるな。
さて、肝心の内容ですが、基本的には先に書いたように主人公の男の娘による復讐劇なのですが、件の萌えの妖精を利用して復讐相手を女の子に変えるという、メインのペアが女装少年とTS少女という、とんでもないスタートライン。つーか、本質的には男×男じゃないですかーやだー。
キャラも主人公の萌蔵を始めぶっ飛んだキャラばかり。萌蔵が復讐相手である武尊への復讐の動機というかモチベーションがよくわからないし、あとがきのこの設定? も自分にはよくわからず、最終的なオチもうーむ……と思わざるを得なかった。にも関わらず楽しく読んだのは、色々勢いでノリ切られた感もなくはない。しかし、読み終わってみてどうだったかと言われると、面白かったとしか言いようがない。
個人的には、やはりクライマックスにおける萌蔵と武尊の場面だろうなぁ。あぁ、自分は男の娘にはこういうモノを求めていたんだなと。キター!!! と思ってしまったもの。まぁそれだけにそのオチに首を傾げざるを得ないのだけど、やはりホモか。ホモじゃないとあかんか。ちゃうねん。まぁそれはともかく。最終的なオチはどうかなぁとは思うけれども、クライマックスの盛り上がり感は半端なく、変な満足感があった。
そんなわけでいろんな意味で首をぐりぐり捻りながら読んだ作品でしたが、最終的にはとても面白かったです。次がこれの次巻になるのか、はたまた別の作品になるのかはわからないですが、是非読んでみたいところです。
しかし、HJ文庫は凄いの見つけてくるな……。

インテリぶる推理少女とハメたいせんせい −In terrible silly show, Jawed at hermitlike SENSEI−/米倉あきら,和遥キナ

HJ文庫が大賞選考に際し、タイトル公開された作品のうちにそのタイトルが話題になった、原題『せんせいは何故女子中学生にちんちんをぶち込み続けるのか?』こと、『インテリぶる推理少女とハメたいせんせい
−In terrible silly show, Jawed at hermitlike SENSEI−』。原題はそれはそれで面白かったけどw、改題されたこれもなかなかイイなぁ。最終的に奨励賞を取ったようですが「こんなの受賞させるしかない!」とした編集Aさん、GJだと思います。
さて、肝心の内容ですが。まず、原題も含めたこのタイトルは何だと思われるでしょうが、えーと、これ、まぁ、そのままなんです。主人公、強姦魔です。ヒロインはそんな主人公に恋するヤンデレ気味なミステリ脳なJC。Oh……。これを見ただけでもう酷い、と思われるかもしれないが、これが面白かったのがまた酷い話である。この作品をわかりやすく伝えたいと思うのだけど、難しい。色々と考えた結果、辿り着いた答えが……ノリツッコミ小説。せんせいがJCにちんちんをつっこむだけに! せんせいがJCにちんちんをつっこむだけに!!
ジャンルとしてはミステリ、になるか。あらすじには「2人が孤島を舞台に繰り広げる壮絶な頭脳戦と恋愛模様」とあるが、まぁその通りと言えばその通り、と言うしかない。話どうこうより、ラノベとミステリ、メタ的な表現や叙述トリックなど、色んなモノを飲み込んで「爆ぜろリアル!」と叫びながら自ら爆発するような、そんな勢いに飲まれる。前述の通り、好き嫌いが激しそうな色の作品ではあるのだけど、所謂『問題作』とされるモノを読むのが好きな人は、とりあえず読んでみて欲しい。そして、話したい。どやねん、というところをもう色々話したい。自分がラノベ読みオフとか企画してたら、確実に課題図書の候補の1つにする。
少し印象的だったのは、フィクションにおいて、同じように人の人生を踏みにじるのに、殺人はよくて強姦はダメ、みたいな感じは何だという件のところ。確かに、と思わされるのが憎いところではある。フィクションにおいて、殺人鬼は憧れられるみたいとこさえあるもんな。戯言シリーズの零崎とかさ。生まれながらの強姦魔一家の異能ラノベ……これは売れん。まぁ強姦はともかく、こういった少し考えさせられることが随所で出てくるのも面白かった。
ミステリっぽい舞台を揃え、日常ミステリ系ラノベな配役をし、メタ的な展開を交えつつ、何故か強姦魔とヤンデレJCの恋愛模様が描かれるという、HJ文庫の挑戦作。問題作を読むのが好きな人には読むのをオススメしますが、結局肌に合わなくて窓からぶん投げたくなっても僕は責任はとりませんので悪しからず。

月花の歌姫と魔技の王/翅田大介,大場陽炎

魔法と科学のファンタジーライトノベル。
読み始めてすぐ〈蒸機革命〉とか出てきたのでウヒョーとなったものの、そこまで蒸気蒸気はしてなかったw とはいえ、ファイナルファンタジーいくつか的な魔法と科学が交錯する感じはあるので、そういう雰囲気が好きな人にはハマる世界観ではなかろうか。魔法も、世界観として魔法が廃れた世界というのもあって、魔法には魔法なりのある種の法則性があり面白い。
主人公のライルは、自ら魔法を世界の隅に追いやった技術革命を起こした「最後の魔女」の秘蔵っ子。魔法にも科学にも精通する所謂天才。ヒロインは、幼馴染の技術革命以降のやり手の貴族の令嬢であるマリーアと、魔法時代の生き残りである「幻想種」の少女ルーナリア。魔法と科学、マリーアとルーナリア、主人公のライルは、2つの時代と2人の少女との間を駆け抜ける、といったところか。
面白かったは面白かったのだけども、個人的にはやはり、もっと蒸気蒸気していて欲しかった感は否めない。世界としては蒸気けぶっているっぽくはあるが、うーん……。まぁそれくらい序章読んだ時にwktkしてしまったもので。とはいえ、バトルは楽しかったです。
イラストはページを開いて口絵でマリーアのガーターベルトでウヒョーてなる。マリーア、凛々しい癖にエロいし、その上幼馴染可愛いので、とても素晴らしい。ちょっとかっこエロかわいすぎて主人公食っちゃってる感あるが、まぁとりあえず今はよしw そのまま口絵を進むとルーナリアやったーーー! 影の入り方が素晴らしい具合。本文の方も丁寧に仕上げられていて見応えありました。
そんなわけで主人公と2人とのラブコメにはかなり期待したいところ。
さて、2巻は既に買ってあるので早めにに読みたいところ。

うちのクラスの頼りないラスボス/望公太,鈍色玄

●ンポ!
●に入る文字はチだと思ったか………………? いくら俺がチンポが好きだからといっても、ブログの第一声からチンポチンポとチンポキチガイみたいなマネをすると思うてか。フハハハ、残念だったな、そう、チンポだよ! というか、もうチンポって書いちゃってるしな。何故チンポのチを伏せた。オチンポオチンポ!! どうでもいいけど、チンポにオをつけると急にアウトくさくなるの何でなんですかね。オチンポ!
さて、このエントリは望公太さんの新作『うちのクラスの頼りないラスボス』の感想文を書いているはずだったのだけども、どうしてこうなった。まぁいい、チンポだ。しかし、これだけチンポチンポ書いてるとチンポという言葉の響きも変わってくる感もあるな。チンポという響きに上品さすら感じるというか…………。そう、それは、チンポ。いや、もうチンポの話はええねん。
さて、望公太さんの新作『うちのクラスの頼りないラスボス』ですが、大変面白かったです。あらすじを読むと、電撃文庫のゆうきりんさんの作品『魔王なあの娘と村人A』に似てるという印象を受けるかもしれないが、読んでみると全くの別物であるということがよくわかる。もし、似ているという理由でスルーされてる方がいるなら、是非、とりあえず読んでみることをオススメしたい。とても面白いので。
キャラが全てという学園で《脇役》という役割を与えられた少年がお話の主人公。そう、脇役だけど主人公。とてもややこしいw ヒロインは《ラスボス》の役割を与えられたダメダメっ娘と、《主人公》の役割を与えられた超絶幼馴染。面白いのは、役割=ロールと象徴=モデルが異なる項目であること。《魔王》とか《勇者》は象徴になる。まぁ言われてみるとそうか。こんな話ばかりしてると、メタなフィクションとしてニヤニヤしながら読む作品なのかと思われるかもしれないが、寧ろ逆でむちゃくちゃ青春してて熱い。クライマックスとか、本当に悶え死にそうでたまらなかった。
キャラ的には《解説役》の来手さんが素晴らしい。涼希との会話は、それだけで持ちそうな魅力。涼希の合いの手である「知っているのか、来手さん」←合いの手であるにも関わらず既に名言クラスですよ。俺も来手さんと会話して言いたい! イラストでも眼鏡っ娘で可愛かったし、今後の活躍に期待が大きくなるばかりです。
そして、1巻ももう終わりかー、と気を抜きながら読んでると、最後の最後の章である『蛇足でしかないエピローグ』でブッこまれて困った。形式的には2013年出版の作品ですし、実際こないだ出たばかりだけども、言わせて頂きたい。2巻はよ。

タタリ・ブレイカー弑子/榊一郎,bon

タイトルから表紙の巫女っぽい女の子からしてそうだけど、まぁ退魔モノ。だけど、キャラの設定から何からがイイ。楽しかった。
主人公はフィギュア原型師? という奴。高校生ながら仕事としてお金をとれてるというあたり、既にかなりの腕前ということだろう。この作品を出すレーベル=HJ文庫=ホビージャパンということから主人公の役所が決まったみたいだけどw、これが利いてる。いろんなとこで「あ、なんかフィギュアの原型師っぽい」という描写があって(ホントに原型師がそういう思考や行動をしやすいかは自分にもわからないがw)、主人公の色というか味が出ていて読んでて楽しかった。
また、退魔師役の弑子の退魔方が面白かった。まず、その身に呪いを引き寄せるというモノ。その精度を少しでも上げる為の名前とか格好だというのも面白い。『弑』なんて字、初めて知ったしw(親殺しという意味があるらしい)、こんな辛気臭い雰囲気のヒロインはまぁ他では見かけないなw まぁ本人は明るい感じで関西弁なので、辛気臭いというのとはまた違うのだけど。帯の「不吉かわいい」というのはなかなかいいコピーだw
お話の展開自体はそんなに珍しいパターンではないと思うけど、キャラの魅力にも引っ張られて苦もなく楽しく読めた。オチというか引きというか、それも含めて。
あとは、やっぱり人形とホラーというのはやはり相性がイイなあと。妙な倒錯感や背徳的な雰囲気が出て、イイ感じになる。ホラーでイイ感じってなんかヘンな感じだがw
そしてbonさんのイラストがたまらんかった。表紙だけで買ってしまったけど、口絵も本文も素晴らしかった。本文の、こういう色の使い方はややもするとうるさいというか、メリハリのない画面になってしまいそうなのだけど、そういう感じは全くなく、絵の魅力に引き込まれるばかり。早く次の絵出てこないかなぁなどと思ってしまったw
明らかに続きありそうなので、とても期待しながら待ちたいと思います。

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