エンド・アステリズム なぜその機械と少年は彼女が不動で宇宙の中心であると考えたか/下村智恵理,黒銀

家出少年がその道中で、突如として渋谷に現れた機械の化物の報を見聞きすることから幕を開ける、巨大ロボットモノ。
巨大ロボットのフィクションといえば、日本人でアンケートを行えばガンダムかエヴァがまず挙がるだろうと思われるが、この作品はガンダムではなくエヴァの系統の巨大ロボットモノ、になるか。まぁ僕、新版エヴァ見てないのでなんともいえないんですけど。しかし、主人公の名前が五雁(いかり)なのは、どう捉えるべきか……。
内容的には、巨大ロボットの戦いを繰り広げながらも、少年たちの甘くて苦い青春を描き、その中で登場人物たちの内面を抉り出していく。度々目を背けたくなるような傷痕を見せられるので、読むのに少し疲れたが、だからこそ彼らへの思い入れは強くなったとも言える。読むのに疲れたと言えば、この作品、分厚く文字数も多く、小難しい言葉や理屈が多用されているので、更に疲れます。ただ、個人的には、その疲労感を報われる面白さではあったと思ったし、読後感は妙に爽やかなのも不思議。読んでいた時は滅入ったり、んあーこういうのはどうかなーと思う部分があったのに、とても変な感触です。
また、作品を彩られるように散りばめられた音楽が一服の清涼剤にはなっていました。ビートルズやフリッパーズなど色々出てきましたが、中でも『クレオパトラの夢』は、それこそエヴァの『Fly me to the moon』のように、印象的で作品とよくマッチしていてよかった。ジャズは門外なので知らなかったですが、機会があればCDを買ってゆっくり聴いてみたいところです。にしても、桜子ちゃん、スミス好きか……。
キャラ的には主人公の五雁やヒロインの茉莉衣は勿論よかったですけども、やはり伊織でしょー! キャラ紹介にある「日常的に少女を装う」キター。キタよーコレ。ktkrだよー。あと、佳澄さんは手遅れになる前に誰かもらったげて。
そして、最早「ラノベでロボットイラストといえば?」と聞かれたら、上位にランクインしそうなイラストレーターになりつつある黒銀さんのメカニックデザインが素晴らしいこと。タイトルとタイトルロゴに惹かれたものの少し買うか迷ってたのを、背中を押したのは黒銀さんの口絵でした。というか、改めて見てもタイトルロゴ凄くいい。これフォントであるのかな。
そんなわけで、なんだかんだと楽しんだ本作ですが、気になるのは続くんだろうか、というところ。個人的には、もう少し五雁とマリィ様のことを見ていたいところです。
あと、作品には直接関係ない話なんですが、2011年はテッカイオー(大賞)、2012年は本作(優秀賞)と、毛色の違いながらも巨大ロボットモノに賞を与える、いやベクトルが違うからこそ、とも言えるのかもしれないが、スーパーダッシュ文庫はスーパーロボット文庫にでもなるつもりなんです? なにそれかっこいいので是非お願いします。

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