ウタカイ/森田季節,えいひ

森田 季節:作 えいひ :絵
一迅社
¥ 1,575
(2013-01-18)

百合姫ノベル第二弾は、第一弾と同じく森田季節さんによる恋心と歌心に溢れるエモーショナル短歌バトル百合ラブコメ。……長いな。
まず、感じたのは短歌ってこんなにエモーショナルなモノなのか、と。勿論、この作品に出てくる短歌が一般に知られる短歌なのだ、とは思わないけれども、にしても、短歌に対するイメージが変わりました。百合作品ですし、全く男臭くはないのですがw、何度かeastern youthが駆け巡りました。短歌のエモさと、作品そのものの全体的な感じも含めて、妙に合う。あくまで個人的なイメージですが、『夏の日の午後』ががっちりハマっております。
さて、この作品における短歌バトルは、歌会という場において、短歌にこめる力で勝負を決する。短歌バトルそのものは、イメージ的には異能バトル的というか。ほんのちょっとした異能があって、攻撃は短歌によって行われ、コンボではないけど返歌や連歌なんかもあって、カードバトルモノのアニメや漫画におけるそれにも近い雰囲気。しかし、その手にしているモノが個々人の内面を吐き出す短歌、しかも、歌にこめる力で勝負が决まるというモノだから、何というか、なんかとても生々しい。先に感じたエモさもそのへんか。その生々しさが、31音に詰める気持ち、言葉とは一体どういうモノなのか、相手に伝えるということはどういうことなのか、その手触りをしっかりと伝えてくるというか。表現すること、伝わることと伝わらないこと。とても色々なことを感じ、考えさせられました。
主人公の登尾伊勢はそんな短歌バトルの名門校の女の子。そして、ヒロインは先輩であり、ライバルであり、恋人である朝良木鏡霞。基本的には、彼女たち2人のお話なのだけど、いやぁ、たまんなかったですね。個人的な好みなのですが、恋愛モノはメインとなる2人にどれだけキュンキュンできるか、というのがとても大事なのです。そういう意味では、この作品の2人はキュンキュンしっぱなしでした。読んでる時に隣に人いたら、キュンキュンキュンキュンうるせーよ! って苦情受けかねないレベルにキュンキュンしてました。2人は恋人同士であり、ライバルなので、その関係性にとても心惹かれるモノがあります。
また、2人を取り巻くキャラたちもイイ。同級生や対戦相手など、それぞれいいキャラたちでしたが、一番印象に残ったのはやはり天川甘雪。元々の飄々とした雰囲気と、伊勢に対する姿勢のギャップにヤラれました。
もう一人気になったのは、出番は少なかった(というか、ほぼなかった?)ですが、白鳥滝花。というのも、COMIC ZINの購入特典SSである『白鳥レター』の主人公として登場しているのですが、短く、なんてことないSSだと思うのですが、本編読んだ後だといろんなことを想像しちゃって、たまらんのです。
と、甘雪と白鳥の感じからして、続編あると見ていいのでしょうか。とても読みたいところですが……。
そして、表紙がよかったですね。えいひさんの日本画風のイラストによるところも大きいですが、それを補強するのに、この金箔のような金色の紙を使ったことで大勝利してる感があります。短歌をテーマにした作品ということで、とても雰囲気出ていて素敵です。裏表紙の流線もイイ。内容も面白かったですが、たとえ面白くなかったとしても1500円出して後悔はなかった、と言えるぐらい大好きです。
そういうわけで、続編、お願いしたいんですが……あるんでしょうか。

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