終わりのセラフ 1 一瀬グレン、16歳の破滅/鏡貴也,山本ヤマト

学園呪術ファンタジー、と帯に書いてある、とか書くと身も蓋もない感じでありますが。
主人公の一瀬グレンは呪術の名家の家系の分家のご子息……だが、こじれにこじれて本家の方々にとことん嫌われてる分家で、その名家に所縁のある渋谷の呪術師養成学校、第一渋谷高校に入るが……という感じの始まり方。
これだけだと、お家騒動的な異能ファンタジーといった様相で特に珍しくもないような感じであるが、面白かったのは、これが世界が終わるまでの物語である、ということが既に決定しているということ。本の裏のあらすじにもがっつり書かれているが「世界が滅亡し、地上が吸血鬼に支配される直前の──最後の春」のことである。
この物語のヒロインになるのかな、柊真昼との関係性もイイ。冒頭の、幼い頃に身分を越えた関係があったことが触れられていて、それ自体は大した話ではないのだけども、成長して高校で再開し……そして、その後の彼と彼女の関係の成り立ちがとてもたまらない。クライマックスでは、うおおおおって声出そうになった。
と、それ自体はなんてことない、良く言えば普遍的、悪く言えばベタなことなんだけど、見せ方が工夫されていて、新鮮な感じ方で読ませてもらえるのは楽しくて仕方ない。
まぁそんなわけで楽しく読ませてもらったのですが、触れないわけにいかないのがコミック版の方。先程書いたように、作中の世界は程なく破滅を迎えるわけですが、コミック版は破滅後の世界が描かれています。
主人公は百夜優一郎。子供たちだけが生き残るという未知のウイルスにより壊滅した世界で、吸血鬼の地下都市に幽閉されていた優一郎は……というような感じ。ラノベ版の主人公である一瀬グレンも24歳になって登場。何年経ってんだよ! って思ったけど普通に8年ですね。まぁそんなわけでラノベ版から8年後の世界が舞台のお話。
自分はラノベ版から先に読んだので、どうしてもグレンやラノベ版に出てきたその他キャラが気になって仕方ないんですが、まぁそれはそれで置いておくとして、こっちはこっちだけでも十分面白い。漫画なので入りやすい、というのもあるかもしれないけど、まぁ先にこっちから公開されてたんだろうから、そういう風に作ってるあるんだと思いますが、めちゃくちゃ惹き込まれました。
あと、何が凄いって絵が半端なくスゲーんですけど。コンテを降矢大輔さんが切って、それを山本ヤマトさんが作画してるといった感じなのでしょうか。それだけでも楽しくなるぐらい眺めちゃった。

さて、両方読んだ印象ですが、率直に言って、どちらか読んで気に入った人は、残念ながらもう片方も読むしかありません。えっ、さっき漫画は漫画だけで十分面白いって言ったよね、と思われるかもしれませんが、いやまぁそうなんだけど、だって違う話なんですもの。さっき置いたコミック版のグレンですけども、とてもいいキャラをしているんです。ラノベ版でも感じた部分だったり、ちょっと大人になっていそうな顔だったり。8年の年月に何があったのか、ということ……読みたくて仕方ないよね。コミック版でグレンが気に入った人は絶対に読むべき。
『終わりのセラフ』というシリーズが気に入った人にとっては、最早スピンアウトとかじゃなくて、2つで1個ですね、これ。とりあえず両方読むよ、という人に、読む順番ですが、まず世界観を掴みたいならコミック版からをオススメします。漫画ということで入りやすいかと思います。ただ、ラノベ版から読むとキャラへの思い入れが強くなって、それはそれで楽しいので、それもアリかと思います。
くそー……あざといことしやがって……と思ったけど、コミック版はジャンプSQ=集英社、ラノベ版はラノベ文庫=講談社。何してんだ、あんたら。ウィンウィンの関係か。わかったよ、次もその次も買うよ、読むよ。負けたよ。だって仕方ないじゃないか、めっちゃ面白いんだもの。まぁラノベ版もコミック版も原作者は同じなんだから当たり前なんだけども、どちらもキャラとその関係性がたまらんです。ちょうド好みです。
だから、何卒、ラノベもコミックも、終わりまでがっつりとお願いします。

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