スピットファイア 魔術士スカンクシリーズ 2/江波光則,中央東口

魔術士スカンクシリーズ2巻。
2巻というだけあって、世界観が同じであったり、登場人物が重なったりということはあるが、1巻の『ストーンコールド』の続き、ということではない。雪路の話も近くにある世界ではあるが、主人公は全く別の人物。今回は弦という20歳の高校生。正真正銘のサイコ野郎である。
20歳で高校生やってるのはあるキッカケからであるが、そのキッカケは読んで頂くとして、この物語はそんなサイコ野郎・弦とキチガイアニオタ春鷹のちょっとアレな日々を綴った……青春小説。うん、たぶん、青春小説。

さて、そんな青春小説だが、車に乗っているシーンから幕を開ける。それは、その車で大型のレンタルショップに春鷹がアニメを借りに行くシーンなのだが……本来であればこの後、その店に場面は移り、DVDをあれこれ見ながら、アニメ談義を交えて読者をニヤつかせるところであろうが、そうはならない。春鷹が店に行った後、場面は車のままである。
何故か。車には道中で拉致った同級生がいるからだ。この作品がどういった方向性のモノか、お察し頂けただろうか。
勘違いして欲しくないのは、2人は虐めなどをするタイプの人間ではない。実際、彼らが拉致った同級生というのは、かつてクラスで虐めを行なっていた人間なのだ。
しかし、虐めを止めていたわけでもない。更に言えば、虐められていた人間の友人だったり、虐められていた人間に同情したわけでもない。眉を潜めるくらいはしたようだが。では、何故2人が虐めていた人間を拉致ったか。それは、彼らが虐めをしていた人間を「殺してもいい」と判断したからで、たまたまそういうタイミングであった、というだけなのだろう。
そういう意味では、この作品は、2人がやりたいことをやりたいようにやりまくる小説であると言える。勿論、ただ捕まったり殺されたりするのもイヤみたいなので、2人には2人なりの色々な制約はあるが、それ自体はやりたい放題が故にの話なので、結果的にやりたい放題してるとしか言えないw
結果的に、2人は虐めに対してのカウンターを放つ形にはなっているが、虐めそのものに対してムカついているのではない。見るに堪えない過酷な虐めをするような人間を「殺してもいい」と判断し、その人間を殺したいと思っているだけなのだ。ホントにクソッタレといえばクソッタレな2人である。しかし、そんなアレな2人にどんどん惹き込まれていくから不思議だとしか言いようがない。

今回の『スピットファイア』の章タイトルは「Rollin' & Scratchin'」「Something About Us」「Harder, Better, faster, Stronger」「Human After All」と、Daft Punkの楽曲名が使用されている。『ストーンコールド』は「Bohemian Rhapsody」「Crazy Litlle Things Called Love」「Too Much Love Will Kill You」「Keep Yourself Alive」と、QUEENの楽曲名で統一されていて、なんとなく妙に作品にマッチしている気がしたので、今月発売される『スーサイドクラッチ』では、どのミュージシャンの楽曲が使用されるかも楽しみ。
そんな魔術士スカンクシリーズ3巻『スーサイドクラッチ』は7/17発売! もうすぐなので表紙が見れたし、あらすじも読めたけど「いい意味で悪い予感しかしない」という、わけのわからない期待を抱いている。

コメント
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック

calendar

S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
<< August 2019 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

recent trackback

links

profile

search this site.

others

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM