鳥葬─まだ人間じゃない─/江波光則,くまおり純

主人公の陵司の幼馴染・八尋がラブホテルで変死。その前日に八尋から「過去に殺される」というメールを受けた陵司は、八尋の葬式で再開した幼馴染・桜香と八尋の死について、なんとなく調べ始める……といった始まり。
裏表紙のあらすじには青春群像ミステリとあるが、個人的にはあまり群像劇っぽい感じはしなかったかなぁ。ミステリっぽい部分はあったけど、というかまぁそういう始まりだし。

まずは、やはり魔術士スカンクシリーズから入ったので、こういう感じもあるんだなぁと思いながら読んだ。でも犬村小六さんが『スピットファイア』の解説などでも仰っていたように、「今を切り取った青春小説」という点では変わりないな、という気もします。どちらもどうしようもない青春なんだけど、温度が違う感じでそういう意味でも面白い。
今回のお話で、割と重要な部分を占めるのがSNSというのも面白かった。鳥葬ってのは先日名前が判明した、あのアイコンの鳥に啄まれ殺されるみたいな意味もあるのかなぁなどと思ったり。
ただ、主人公の陵司には、そこは踏み込めよ! と思わず言いたくなってしまうな。主人公がアレなのは、ガガガ文庫の伝統芸なんでしょうか……? だが、そこがいい。
そんな感じで、魔術士スカンクシリーズのような前につんのめるような勢いみたいなモノはなく、少し陰鬱な感じなのだけども、何故かグイグイ読ませる吸引力があって、一気に読み切った感があります。

イラストを含めた作品作りも巧い。児童文学的にも見えるこのイラストが、何故か作品と凄くハマッてる。正直な話、表紙はあまり好みではなかったんだけど、本文の挿絵は凄く雰囲気があってイイ。

そんなわけでとても面白かった。今のところ、魔術士スカンクシリーズしか読んでないので、他のガガガの江波作品も読みたいところ。

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