王子降臨/手代木正太郎,mov659

時は戦国、戦と飢饉によって荒れ狂う乱世に、金髪碧眼の王子、降臨……!
ある意味では、それだけの作品である。しかし、これほどドラマティックに、これほどエモーショナルに、そして、これほど美しい作品があっただろうか、いy

第7回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞作品。この作品にバスっと優秀賞を与えるガガガ文庫のことが大好きです。
まず、物語のキッカケであるヒロイン(?)・鳶丸と王子の出逢いからぶっ飛んでいる。鳶丸が眠っている王子を見つけるところから始まるのだけど、ドキドキと見目麗しい王子に見惚れてしまい、不注意のうちに野盗に襲われてしまう。更に、売り飛ばす前に手篭めにしちまおうてなもんで、野盗に太ももをまさぐられ乳首をいじくり回され喘いでしまい、そんなことになるぐらいならと鳶丸は舌を咬んで死のうと決意したその時、目覚めた……そう、乱世に舞い降りた……王子に救われる。何を言っているのかと思われるかもしれないが、こう言うしかない。王子降臨、である。
王子に関しては、全てがこの調子だと言ってもいい。だが、何故かはわからないがそれがいいのだ。
王子は『光の国』という異世界……もしくは異次元からやってきた人間であり、作中の世界とは別の理を持った技術や考え方で動いていて、ある意味では異世界主人公TUEEEEEモノという見方もアリかもしれないが、それだけで括れない何かがそこにある。そう、それは……王子降臨、である。
山田風太郎のお話みたいな雰囲気の、戦国の血なまぐさい和風ファンタジー的世界観、なにやら妙にがっちりとした重厚なモノすら感じさせかねない背景、そして、王子降臨。この組み合わせがとんでもない魔法を生み出している。そんな馬鹿なと思いながら、ページを繰る手が止められない。物語に、王子に、どんどんと惹き込まれていく。

ここまで王子降臨王子降臨ばかり言ってきたが、周りを固めるキャラたちも魅力的。鳶丸の住処である廃寺・蘭平寺(らんぺいじ)の住職である寂邨(じゃくそん)、冒頭に鳶丸を襲った野盗の首領・蛾彩。それぞれ素晴らしいエピソードを持っており、それぞれのクライマックスは涙ナシでは読めなかった。
そして何よりも素晴らしいのは、やはり、鳶丸。口絵で惜しげもなく披露される褌姿のムッチムチの太ももとプリプリのお尻だけでも最高だが、色んな意味で敏感な思春期の少年のあれやこれやに、読んでてドキドキしっぱなし。王子にやきもきする少年に終始ニヤニヤが止まらない。最高や。
女の子なんて初めからいらんかったんや!!!

mov659さんのイラストがまた凄い破壊力。先程も書いた口絵の鳶丸の素晴らしさは言うに及ばず。コミカルでありながら、迫力もある作品に上手くフィットしていて、口絵・本文、お話と共にとても楽しませて頂きました。
また、淡い色使いながら大胆に配置した表紙絵と、ガツンとした迫力のあるタイトルロゴの組み合わせの表紙もイイですな。

そんなわけで大満足の王子降臨でした。もう、手放しで大好きな作品。
これの続きはどうだろう……? という気もしなくないが……まぁ出たら買うけど。なんにせよ、次が楽しみ。
それまでは、とりあえず講談社BOXから1冊出てるようなので、まずはそっちを読んでみたい。

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