代償のギルタオン/神高槍矢,おぐち

第12回スーパーダッシュ小説新人賞優秀賞受賞作。
スーパーダッシュ文庫といえばここ数年、巨大ロボット作品に新人賞を与えることから、スーパーロボット文庫の異名を持つレーベルですが(?)、今年の巨大ロボット作品はこの『代償のギルタオン』になります……なんなのスーパーダッシュ文庫。なんでスーパーダッシュ文庫には、優秀な新人の巨大ロボット作品が集まってくるの。やっぱりスーパーロボット文庫なの……?
さて、その『代償のギルタオン』、カラーとしては結構エグい戦争モノになっております。魔物や怪獣への対抗手段としての巨大ロボットではなく、戦争の兵器としての巨大ロボット。巨大ロボットvs巨大ロボットのタイプ。

まずは思わせぶりな終章〈後編〉が披露され、貧民街で育った姉弟が街を脱出するところからお話がスタートする。ギルタオンという兵器によって動く戦争が蔓延る世界とでも言えばいいのか、普通に暮らす民衆にとってはあまりよくない社会状況のご様子。そんな世界の貧民街で共に育った姉弟のヤシャナ・ライク・ミコはついに街を脱出することを決意。コネも金もない彼らは勇気と知恵を絞って脱出計画を実行するのだが……といった具合。そして、その3人の未来のほんの少しだけども、その未来の一端が見えた計画の遂行中に、彼らは戦争の真っ只中に巻き込まれていく……。
既に書いたけど、このお話、本当にエグい。 表紙に描かれた3人の少年少女がヤシャナ・ライク・ミコの3姉弟なわけだけど、本を開けば、表紙の凛々しい3人とは対比のような、そんな微笑ましい3人の絵が描かれている。読んだ後にこのページに戻った時の気持ちはなんと評せばいいのか……。
そう、そのイラストな。おぐちさんの挿絵。特に、本文の挿絵は少しラフなタッチなのだけど、これが逆にこのエグく泥臭い作品にとんでもなくマッチさせてしまっていて、小説と共に読者のメンタルをガリガリと削ってくる。読後にパラパラと見返すと、その場面場面でのエグさを克明に想起させ、読者のメンタルをヤスリがけしてくるのだ。

正直な話をすれば、こういう持っていき方は卑怯だとも思う。こういう展開では、そりゃ誰でも気の毒に思ったりするわけで……とは、もう逆に言いたくない。
この感じだと、続きとかもあると思うのだけど、こういった展開を見せた以上、少なくとももう一山くらいはこれ以上のモノを提示した上で、大団円を見せてくれるのだと、そう期待したいので。
そういうわけで、2巻、楽しみにしてます。

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