豚は飛んでもただの豚? 3/涼木行,白身魚

待ちました!w

完結した今、改めて考えてみると、この作品、なにか凄いことがあって云々だとか、とても面白いキャラがいて云々だとか、という作品では全くないんだよな。大筋としては、喧嘩っ早かった少年が、学校とボクシングと好きな人への思いで右往左往する話。その右往左往の様子がとんでもなくドラマティックだとか、主人公とヒロインのやりとりがとんでもなくロマンチックだとか、そういうこともない。そう書いてしまうと、普通の高校生たちのお話なんだけど、読んでいるとそんな作品の世界にガッチリ引き込まれる。
普通の高校生たちの青春、「今、ここ」を、鮮やか……ではないかもしれないが、真摯に、真っ当に、紡ぎ出されていく。不器用で素直ではない彼にとっての、そんな彼に関わる彼女たちにとっての、「今、ここ」。
なんでこんなに面白かったのかなーということを考えてみるに、丁寧な内面描写なのかなと。ちょっとしたこと、なんてことないことで起こった彼や彼女の心の動きをとても丁寧に抽出していて、彼らの心の動きを読むことによって、こちらの感情が突き動かされてしまう感覚。それによってなんでもないことがドラマティックに映し出されるのかなぁと。
なんでも書いてしまえばいいとは思わないし、内面そのものを書かないことで面白くなることはいくらでもあると思うけど、そのへんもいい塩梅で調節してあるのだろうとも思う。なんにせよ、この丁寧な内面描写が作品の世界をきらびやかにしている。
そして、彼と彼女が迎える、この作品のラストシーン。とてもこの作品に相応しいラストシーンで、本当にいい作品だったなぁと思わせられました。まぁ……もっと読みたいとも思うけどもw

白身魚さんのイラストも最後まで素晴らしい出来で、さすがの一言。
この作品の、彼ら彼女らの、今あるそこの1シーンをそのまま切り取ったかのようでありながらイラストとしても映えていて、サラッとした雰囲気なのに非常に見応えがあり、この作品を本当に彩ってくれていて、読んでいてとても楽しかった。

そんなわけで、涼木行さんの次回作、凄く楽しみにしてるので!!!

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