水木しげ子さんと結ばれました/真坂マサル,生煮え

真坂マサル
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
¥ 620
(2014-02-08)

第20回電撃小説大賞20回記念特別賞受賞作。
電撃小説大賞の20回記念特別賞、というのがどういう位置づけになるのかわからないんだけどw、作品自体はとても面白かったです。
どういった作品なのかというところですが、転校初日で死体を埋める穴を掘る場面からスタートする小説と言えばいいだろうか。
実のところを言えば、この作品、買うにあたって、タイトルにある「水木しげ子さん」というのは、所謂、漫画『君に届け』の「サダコ」的なアレで内容的には甘酸っぱくてラブい、そういうのをラノベに再構成したような、そんな作品なんじゃないかと、そんな風に思って買ったわけですが……そんなわけはなかった。
帯に入間人間さんが「これが大賞じゃない? 相変わらず、見る目のない連中だ」って書いてるじゃんなー。
今にして思えば、なんでそんな思い違いをしたのか……。

さて、そんな主人公である楠見朝生が死体を埋めるための穴を掘る場面からスタートする本作ですが、その傍らには埋める死体を弄くる少女・水木しげ子さんが。死体の腸を弄ぶ彼女を朝生が見つめることに気づき聞いてくる、「あっ、おやりになりますか?」……なんという優しさか。何かに夢中になってる時にも気配りができるとか、しげ子さん天使か。
そんな天使のしげ子さんの左手小指から伸びる赤い糸が。あることがキッカケから特定の人に赤い糸が見えるようになった朝生は、その糸が自分の左手小指から伸びる赤い糸と繋がっていることに気づき……といった始まり方。
ここまで読んで、おや? と思われた方、少しだけ、ほんの少しだけおられるかもしれません。確かに、しげ子さんは死体を弄ったり、メスを常備していたり、食虫植物育てたりしてるけど、ヤンデレとか、そういうんじゃないです。ちょっとアレなだけなんです。ちょっとアレなだけで、とても可愛い子なんです。
断言しよう、しげ子さんは天使だと。
そういう意味では、最初の思い違いもあながち間違いではなかったかもしれない。君届のサダコは、祖父祖母から見た孫のような可愛さを持った女の子、というイメージで作られたキャラクターだ、というのを見た覚えがある。そういう視点でいくと、しげ子さんもそういった趣がある可愛さである。
まぁそんな朝生としげ子さんが出会い、学園生活を送る中で遭遇する事件と赤い糸に翻弄されながら紡がれる……なんだ? ラブストーリー??? しげ子さんかわいいよ!
あと、赤い糸についてですが、わかると思いますが、まぁ恋愛的な「運命の赤い糸」ではないです。まぁカバーのあらすじに書いちゃってるので、書いてもいいんですけど一応やめときますw

生煮えさんのイラストもよかった。まぁ主にしげ子さんのことですが。不気味ながらも美しい、という特徴が凄くよく出ていて、本を開いて目に飛び込んでくる口絵や、本文でのしげ子さん登場の挿絵がとても印象的。

装丁もかなり気を使ってやってるなぁという印象。白黒赤でまとめた表紙デザイン。タイトルロゴも、アンバランスな感じも作品にマッチしてる。本文も段落の数字が妙に下にあったりとか、凄く雰囲気ある。まぁ電撃はだいたい気を使ってるといえばそれまでだけども……今回はとても作品と上手く噛み合ってると思ったので。

というわけで、自分でもびっくりするくらい面白さが伝わってる気がしないですけど、本当にめちゃくちゃ面白かったし、大好きです。
あとがきに、「次巻も手に取っていただければ」という文面があるので、めちゃくちゃ楽しみに待ちたいと思います。
ああ、ホントしげ子さんかわいい。

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