甘々と稲妻 1/雨隠ギド

最近はお食事漫画やお料理漫画が静かなブームなのか、そういった漫画が増えつつある気がしてます。
かくいう自分もそういった漫画は好きで、有名なところだと高橋しんさんの『花と奥たん』や、よしながふみさんの『きのう何食べた?』、久住昌之さんと水沢悦子さんによる『花のズボラ飯』など、個人的に名作認定している漫画の多いジャンルなわけですが、この作品を読んで、またそういう作品が増えたと、そう思いました。
食べ物がおいしそうに描かれている漫画、とても美味しそう・簡単そうといった素晴らしいレシピを紹介する漫画、またはそういった店だったり料理自体だったりを紹介する漫画は色々あるが、これほどまでに食べたキャラたちの『表情』が素晴らしい漫画はそうそうなかった。

妻に先立たれた夫・犬塚とその娘・つむぎは、ちょっとしたことからある食堂に出向くことになるのだが……といった始まり方。
お話としては何か変わったことがあるお話でもない。ハートフルで、優しかったり、切なかったりしながら、お料理もおいしそうに描かれていて、普通にお料理漫画である。しかし、それらは全て枝葉なのだと、そう言わんばかりのキャラたちの表情。勿論、その表情を引き立てているのはお話なのだけども、それにしても表情がとてもいいのだ。
特にはやはり、つむぎ、だろう。食堂に出向くことになるきっかけの時のつむぎ、出向いた先でごはんを食べたつむぎ、「おとさん、たべるとこみてて!」と言ったつむぎ、そしてそのつむぎを見てる父・犬塚の顔。これを見てるだけで目に水が吹き出てくるのである。
思えば、「おいしいごはん」を食べると、まぁほとんどの人間は自然といい表情になる。何を「おいしいごはん」と定義するかは色々あるとは思うけれども、それぞれにそれぞれの最高においしいごはんを食べてる時は、この漫画のつむぎがおいしいごはんを食べてる時の、あんな表情ができるといいよな、と、そう思わされてしまう漫画でした。

2巻は3月に出る模様。早く読みたいですな。

ヤクザガール・ミサイルハート/元長柾木,なぎみそ

表紙に一目惚れして購入。ジャージJKが日本刀とか……しかも、タイトルから予想されるところのヤクザとか、もう買わないわけにいかんでしょ。
星海社文庫なので再販モノかなと思って検索したら、やはり。06年に竹書房ゼータ文庫から、緒方剛志さんのイラストで出版されたモノの模様。タイトルも同じだし、表紙を見てもなんで当時読んでなかったかなと思うけど、まぁ単純に知らなかったんだと思います。

さて、内容についてですが、これはもう最ッッッ高!!! に好みでした。
ヤクザ meets 異能バトル in 広島、といったところか……などと言われましても、と感じるやもしれませんがw
舞台は1989年、“1945年に新型爆弾が落ちなかった”広島。戦争ムードの薄れた現在でも、一応いまだ交戦国である日本を訪れたアメリカの少年アドルファスは、ひょんなことからトラブルに巻き込まれ、日本刀を操る少女と出逢う……といった具合の始まり方。
ヤクザガールというヒロインもさることながら、ヤクザ×異能バトルという組合せ、史実とファンタジーの結びつけ方と、どれをとっても非常にぶっ飛んでいて、それでいながら上手く繋げてエンターテイメントに昇華してるのは見事という他ない。
表紙見た時から、これは確実に俺が好きなやつに違いないとは思ったけど、これほどまでにワクワクするとは思わなかった。
ただ、だからこそ、これが1冊で終わりなのが残念で仕方ない。
一応、この本はこの本でキリがいいとこで終わってはいるが、もっと色々書ける余地のある作品でもあって。単純に、アドルファスとアカリのこの先は、ヤクザたちはどうなっていくのか、また何故新型爆弾は時を止めているのか……。作品で語って欲しいことが多すぎて、続きがないのなら知らなければよかった……みたいな、悲恋に泣く人みたいな気持ちになってる。
……まぁ、最初に竹書房から出た時に買い支えてなかった人間が言えることではないんですけどねw ……知らんかったんや……!

そんなわけで、星海社さん。
是非とも、この作品の続編を星海社でやっちゃいましょう。お願いします!!!

エスケヱプ・スピヰド 伍/九岡望,吟

電撃文庫の誇る巨大ロボット神速バトルアクション、5巻。映画張りの激渋表紙からの、裏表紙は遂に《甲虫》勢から鍬形! かわかっこいい!!
その気合いの入った表紙に後押しされるように、本格化する鬼虫 vs 甲虫に蜂の復活で、面白さは熱を上げてスピードアップされる。そして、帯にもある通り、ついに壱番式・竜胆が戦線復帰で更に加速。このままでは、読者がスピード狂になってしまう……!

そんなわけでエスケヱプ・スピヰド5巻では、甲虫の本命(?)であるクワガタがついに登場。鍬形という位置づけ、乗り手である朧の叶葉との過去の因縁からするに、九曜・蜂といろんな意味でライバル関係にあると見ていいのかな。今回も非常に熱いハイスピードバトルを繰り広げてくれていますが、この関係性は先々も楽しみすぎです。
その朧を始め、いろんな人の過去が少しずつ明かされながら過去の大戦から現在に繋がってくるのは、あの納まりのよかった1巻から、よくここまでもってきたなぁと関心する。いやもうホントに、1巻がいい感じの終わり方だったので、当初は続ける必要なかろうと思ってたんだけど……そんな続きが面白くて仕方ない。アホなこと考えてた過去の自分に土下座させるしかない。

それにしても、クワガタはやはり燃えるな。もう、クワガタという、それだけで大勝利してる感ある。オニヤンマやスズメバチもかっこいいけど、やはり甲虫……さらにクワガタとなると、男子のテンション爆上がりだよね。
見るとテンション下がることもあるのであまり見ないけど、虫バトルってあるじゃないですか。虫を戦わせるやつ。アレでもクワガタが出てくるとそれだけでちょっとテンション上がるもんなぁ。
カブトムシとかクワガタって樹液とか飲んで暮らしてるし、毒とかも持ってないし、闘争本能自体もあまり強そうにないので、実際は大して勝てないのではと思ってたんだけど、固い外殻と高い馬力というスペックの高さで、割と強い。ヘラクレスオオカブトがデカい毒蜘蛛をぶっ殺した場面は戦慄した……。
そういえば、この作品で最強の鬼虫となっている蜻蛉だけど、オニヤンマはスズメバチを捕食することもあるのだとか。この作品でも言及されてるけど、やはりあの飛行能力は凄いみたいで。
そう考えると虫って怖いよな。身体能力のスペックが高すぎるというか。毒持ってるのも少なくないし何メートルクラスのデカい虫がいたら恐怖すぎる。巨大な虫が出てくるスチームパンクや、巨大な虫にヤラれる巨大ロボットモノのラノベはまた別の作品ですがw、戦闘ロボットに虫をモチーフに使いたくなるのもよくわかる気がする。

吟さんの挿絵も素晴らしい。気合い入りまくりの表紙絵は勿論だけど、今回の目玉は何といっても口絵。過去の鬼虫、九番式たちのイラストなんだけども、竜胆・巴・剣菱の3人の絵は、もうこれだけで何か胸に迫るモノがありますな。からの、本文の157頁……吟さん、気合い入り過ぎや……!

と、相変わらず最高に面白いエスケヱプ・スピヰドでした。次はこの巻でもちょくちょく出てきた柊がメインかしら。
続きも楽しみです。

殺戮のマトリクスエッジ/桜井光,すみ兵

20XX年、今以上に蔓延ったネット、インプラントされる電脳、巨大企業複合体によって運営され日本政府の手を少し離れたところにある電脳に最適化された都市『トーキョー・ルルイエ』、その都市の影に潜むというホラー、そしてそれを駆除するという掃除屋……といった、男の子向けサイバーパンクアクション満載な作品。
そういうのが大好物の俺はそりゃ買うよね、読むよね。
主人公はトーキョー・ルルイエにて、ソロで掃除屋を営む少年・小城ソーマ。ある夜、少女・ククリと出会うことによって、都市の暗部に引き込まれていく……といった感じ。

さて、そんなわけでお話的に何か目新しいモノがあれこれあるといった感じはない。しかし、だからこそ描き方のよさが目立つ。
SNSや掲示板のログや、ニュース、報道やテレビのインタビューなどの体で、作品におけるその状況などが説明される様は、それこそサイバーパンクのアニメを眺めてる感覚で、いい臨場感が演出されていて非常に楽しかった。
また、基本的な部分では主人公であるソーマの語りなのだけども、少し交代するところがある。もう一人のヒロインと言っていいだろうユーノのそれである。ユーノによって物語が進められる部分があるのだけど……もう、これが、堪らない。
最初に書いたように、この作品は徹底的とも言っていいほど、男の子向けのサイバーパンクアクションで、その魅力も溢れている……それだけでも充分なのだけども、そこに薬味とでも言えばいいのか、絶妙な味付けをユーノの語りが施している。
帯にある「重厚、冷淡、しかれど可憐」という文句はこのあたりにあるのかな……? という気もしなくもない。

まぁそんなわけで、ユーノが活躍するところがもっともっと見たかった……というのが不満点といえば不満点か。つまり、非常に面白かった。
サイバーパンクアクションなライトノベルがお嫌いでなければ、是非とも手にとってみて頂きたい。

代償のギルタオン/神高槍矢,おぐち

第12回スーパーダッシュ小説新人賞優秀賞受賞作。
スーパーダッシュ文庫といえばここ数年、巨大ロボット作品に新人賞を与えることから、スーパーロボット文庫の異名を持つレーベルですが(?)、今年の巨大ロボット作品はこの『代償のギルタオン』になります……なんなのスーパーダッシュ文庫。なんでスーパーダッシュ文庫には、優秀な新人の巨大ロボット作品が集まってくるの。やっぱりスーパーロボット文庫なの……?
さて、その『代償のギルタオン』、カラーとしては結構エグい戦争モノになっております。魔物や怪獣への対抗手段としての巨大ロボットではなく、戦争の兵器としての巨大ロボット。巨大ロボットvs巨大ロボットのタイプ。

まずは思わせぶりな終章〈後編〉が披露され、貧民街で育った姉弟が街を脱出するところからお話がスタートする。ギルタオンという兵器によって動く戦争が蔓延る世界とでも言えばいいのか、普通に暮らす民衆にとってはあまりよくない社会状況のご様子。そんな世界の貧民街で共に育った姉弟のヤシャナ・ライク・ミコはついに街を脱出することを決意。コネも金もない彼らは勇気と知恵を絞って脱出計画を実行するのだが……といった具合。そして、その3人の未来のほんの少しだけども、その未来の一端が見えた計画の遂行中に、彼らは戦争の真っ只中に巻き込まれていく……。
既に書いたけど、このお話、本当にエグい。 表紙に描かれた3人の少年少女がヤシャナ・ライク・ミコの3姉弟なわけだけど、本を開けば、表紙の凛々しい3人とは対比のような、そんな微笑ましい3人の絵が描かれている。読んだ後にこのページに戻った時の気持ちはなんと評せばいいのか……。
そう、そのイラストな。おぐちさんの挿絵。特に、本文の挿絵は少しラフなタッチなのだけど、これが逆にこのエグく泥臭い作品にとんでもなくマッチさせてしまっていて、小説と共に読者のメンタルをガリガリと削ってくる。読後にパラパラと見返すと、その場面場面でのエグさを克明に想起させ、読者のメンタルをヤスリがけしてくるのだ。

正直な話をすれば、こういう持っていき方は卑怯だとも思う。こういう展開では、そりゃ誰でも気の毒に思ったりするわけで……とは、もう逆に言いたくない。
この感じだと、続きとかもあると思うのだけど、こういった展開を見せた以上、少なくとももう一山くらいはこれ以上のモノを提示した上で、大団円を見せてくれるのだと、そう期待したいので。
そういうわけで、2巻、楽しみにしてます。

王子降臨 2 王子再臨/手代木正太郎,mov659

いやもう相変わらず、凄い、の一言。
言ってしまえば、1巻が王子が降臨しただけの話だった……それと同じように(サブ)タイトルが示している通りの王子が再臨した話だった。それだけの話なのに、なんでこんなに面白いのか。どうしてこんなに好きなのか。わからない……と言いたいところだけれど、本当はわかっている。わかっているのだ。この作品が人を惹きこんで止まない理由。

それは、王子だからである。

と、言えることに全く迷いがなくなるぐらいに、この作品のことが好きだ。
アクは強かろう。みんながみんなに好かれる作品ではないかもしれない。
しかし、好きになった人を引っ掴んで離さない強い引力を持った作品と断言できるし、そうなると、もしかしたらみんながみんなに好いてもらえる作品なのではないか、という気がしてきた。よし、みんな読もう。

と、まぁ既に書いたけど、王子降臨2巻はタイトルが示す通りの、王子が再臨するお話。
1巻は1巻で収まりがよかったような気がしたので、続刊の情報を聞いた時は少し大丈夫かと思ったけど、杞憂だった。杞憂過ぎだった。大きなお世話もいいとこだった。
今回も戦国の世の中が舞台なのだけど、1巻の時のような国ほどには荒廃した感じはなく、しかし、じっとりと不穏な空気の流れる……そういった雰囲気の国。そんな国の見目麗しい少年の君主と、そのお付きの屈強な侍の前に現れた、怪しくも美しい金髪碧眼の……王子降臨である。
この先は、1巻とは少し違った表情を見せることになるのだけど、それは是非とも読んで体感して頂きたい。王子を。その美しさを。

そして、本編だけでなくイラストの方も素晴らしい出来である。1巻の鳶丸のお尻とか、mov659さんはいい仕事をし過ぎている感があるけど、2巻でもいい仕事をし過ぎている。
思わず1巻と並べたくなる表紙は勿論、49頁の桃の花を見上げる物憂げな王子、『少年図』とでも題したくなる55頁など見所は絶えないが、圧巻は189頁である。屈強な侍の乳首を責める金髪碧眼の美青年である! 屈強な侍の乳首を責める金髪碧眼の美青年である! 何を言っているかわかってもらえると思うけど、俺も何を言っているかわかっている。そう、そこには、屈強な侍の乳首を責める金髪碧眼の美青年が描かれている。
というか、本文挿絵、ついに女性の絵が1枚もありません。口絵のランガを最後にこれっぽっちも出てきません。チラリともしません。お疲れさまです、本当にありがとうございました。

というわけで、最高に楽しく、美しい小説、いや王子でした。
3巻が今から楽しみで仕方ありません。この後どういう展開になるのか、最早全く想像もつきませんが、作者さんの心ゆくまで突っ走って頂きたい。

美将団 信長を愛した男たち/有沢真由,あおいれびん

サブタイトルにある通りの小説である。家臣として、男として、恋愛の相手として、信長を愛した男と男と男の話である。ジャンルとしては、恋愛小説と言っても過言ではないと思うが、女は、ほぼ出ない! 万歳、衆道!
宝島社が行っている「日本ラブストーリー大賞隠し玉作品」とのこと。なるほど、なんだそれ。

さて、物語をメインキャラとして進めるのはお小姓の3人。 長谷川竹(長谷川秀一)、万見仙千代(万見重元)、森蘭丸(森成利)。 基本的には史実を元に描かれた作品ということらしく、メインだけでなく他のキャラたちも実在したキャラになっている模様。
しかし、歴史というモノに全く詳しくないので、「お小姓」と聞くとエロい妄想しかできないわけですがw、この作品を読むと、なるほど、こういう世界であったかもしれないなぁなどと思いつつ、最後まで楽しく読めました。
雰囲気的には、ドラマの『大奥』のそれに近いモノを感じた。愛と権力の欲と感情に塗れた「お小姓の世界」。
家臣としての忠義心、武士としての出世欲、そして、恋。それらが絡み合って、絡まり合って、信長を中心に繰り広げられる愛憎劇。いや、もう非常に楽しかった。
個人的な好みとしては、もう少し「性」の部分に踏み込んでよかったのではないかなぁという気はする。勝手な思い込みですが、衆道、即ち少年愛というのは、同性愛とはまた違った側面があるのではないかなぁ……という気はしてるけど、まぁ、この作品はそういった類の作品でもないかw
少し残念だったのは信長。分量としては300頁もないわけで、どれもこれもというのは酷なわけだけど、信長の内面や気持ちがもっとわかりやすく見えたらよかったなぁといえ気はする。
ともあれ、恋愛小説として、非常に面白かったです。

あおいれびんさんの装画も素敵。挿絵は1枚もないのに、キャライラストがあるのは何でですかw 挿絵もください!w

それにしても「お小姓」というのは素敵な響きであるな。ときめき成分が大量に含まれている気がするわ。

秘密結社 来夢来人 まほうびんぼう/伊藤螺子

「僕と契約して魔法少女になってよ」
といえば、今、劇場版が公開されてる『魔法少女まどか☆マギカ』ですが、このお話なら
「僕と契約して、お金を払って魔法少女になってよ」
といったところでしょうか。

東京は下町にある秘密結社・来夢来人。「肩こり・美白から怪奇現象まで よろず相談承ります」をコピーに活動する秘密結社なわけだけども、なんと、その主力は……魔女っ子シルクちゃん!
変身1分あたり100円(魔女っ子ベーシック・フリープラン)で、魔法を使う度にオプション料金が請求される! 今日も町のお悩みを身銭を切って魔法で解☆決☆
とまぁ、そんなわけで魔法少女モノです。主人公は、そんなシルクちゃんに魅せられた、ヤンキーではないのだけども紫髪に染めて転校してくるという、エキセントリックな思考の持ち主の平雪光。シルクちゃんは、ヒロインということになりますな。
最初に書いたように町のお悩み解決が中心で、あまりスケールの大きい話にはなりません。が、それがいい。
東京の東の方の下町をベースにしたと思われる架空の町が舞台なのですが、この下町感がなんとも楽しい。
呑み屋で呑んでるとすげー話しかけて来るけどオッサン誰だよみたいな。若干鬱陶しいんだけど後で振り返ってみると、まぁアレはアレで楽しかったなみたいな、そういう。うん、わかり辛いね。まぁとにかく、そういう楽しさが少し詰まってる気がした。
これは、よく言われるような、昔の密接した地域コミュニティのそれ、とはまた違ったモノで、そこが魅力になってるなぁと。

お話自体もとても面白かった。
『紫頭と赤貧少女』は、主人公と魔法少女との出会い編。
『ラーメンとヤンキー』は、タイトル通りにとあるラーメン屋のラーメンが不味いというお話。
『アバンチュールとラブオメガ』は、美少女ゲームにハマるうちに困ったことになった青年のお話。
『横綱とヒゲダンス』は町のお祭りのお話。
それぞれのお話自体は短編的な楽しさで読めつつ、それぞれ主人公やヒロインの内情や変化が時系列に絡み合って描かれているので、読み終わった時には長編小説読んだ満足感もあって……こういうのはズルいって言ってるだろw

村崎久都さんの装画もとても雰囲気出てますな。魔法そのもの以外は容易に想像がつきそうな場面が多く、ある意味、イラストが必要ないような作品なんですが、それはそれで、あえてイラストが見たいわけでw 何度も表紙見返しながら読んでました。表紙だけでなく、挿絵も欲しかったところですw

と、非常に楽しい魔法少女モノでした。
続編とか、出ないかなぁ……?

安達としまむら 2/入間人間,のん

入間人間
アスキー・メディアワークス
¥ 578
(2013-09-10)

入間人間版ゆるゆり2巻……なのか? それはわからんが、しまむらが好きすぎる安達なライトノベル『安達としまむら』2巻。
今回はクリスマス回。しまむらとクリスマスを過ごしたくて一緒にいたくて仕方ない安達が、アレコレ考えながらそうこうしながら正月を迎えるまでが描かれる。
「友達としての好き」なのか、「恋愛としての好き」なのか、両者共に図りかねてる2人の距離感はもどかしくも心地よく、なんとなくこのままの2人でもいいのではないかとも思うけれども、それだけでは終わって欲しくないという気もするわけで、読んでる方ももどかしい気持ちを抱くというw
そういう意味では……いや、どういう意味だ、これ。ともかく、この巻の最後にタイトル通りに挟まれた(?)『真剣なおっぱい』で、何かに気づいた安達の今後に大いに期待したいところです。どういう意味かはわからんと言っちゃったけど、何かとても安達に期待したくなる最後なんですよ、これは。うん。
そして、今回また凄いのは、おまけ。日野と永藤、ヤシロとしまむらの妹のアレコレが本編に挟まれる形で短編にて描かれているわけですが、日野と永藤がもうたまらん出来です。こちらはある意味では、安達としまむらとは逆の2人。
安達としまむらは最近出会ったながらも、フィーリングがとても合う2人としての関係と、その距離感うんぬんかんぬんという感じなわけですが、日野と永藤はフィーリングもバッチリで付き合いも長い為、2人の距離感がどうこうでなく、どういう2人なのかを2人で確認しあうとでもいうのか……最早、熟年の夫婦のような……あ、夫婦って言っちゃったね。
あと、こういう時、「どうでもいいけど」とつけちゃいがちだけど、どう考えてもどうでもよくないことなので強くリクエストしたいんですが、日野のパートナーであり、肉屋の娘、永藤のイラストまだですかね。日野は1巻で出てきたけど、肉屋の娘、永藤出てきてねえぞーと。日野もないなら納得できるけど、日野だけあって肉屋の娘、永藤がないのは納得しかねる! あり得ないですよ。肉屋の娘ですよ、肉屋の娘。そろそろ肉屋の娘って書きたいだけになってきてるけども、肉屋の娘というのは大事ですよ。
肉屋の娘の話はこのぐらいにしておくとして、少年アシベにおけるごまちゃんの位置に収まるのが、このお話の安達になると入間さんが適当な感じであとがきで仰られてるので、最終章にておっぱいに気づいた安達が3巻でしまむらに抱えられた時にどんな反応するかに注目することを忘れずに3巻を待っています。

クレイとフィンと夢見た手紙/友野詳,スオウ

女子向けラノベでもおかしくないような、麗しい男子が2人向かい合った表紙が印象的なこの作品。2人の周りに配置された歯車と、蒸気か霧かのイラスト、斜体のかかったタイトルロゴもとても雰囲気が出ていてイイ感じ。
さて、肝心の内容ですが、その表紙の2人のバディモノとなっております。

白いスーツを纏っているのが金髪の自称頭脳労働担当のフィン。黒い猫耳フードを被っているのがフィンに肉体労働を押しつけられるクレイ。2人が行うのは「出されなかった手紙」「書かれなかった手紙」「本当に欲しかった手紙」「普通じゃない手紙」など、本来なら届かなかったはずのメッセージを、回収し配達すること。時に魔女の館へ、時に吸血鬼城へ、時に誇り高い鳥人の元へ、時空を超えて手紙を回収し、配達していく……というお話。
舞台は獣人だとか吸血鬼だとかが出てくる中世ファンタジー的な世界……の一方でロボットなどの技術も発達している世界で「つぎはぎな世界」。どうしてそれが成り立っているのかというところも含めて、是非読んで体感してもらいたいのだけど、これがもう非常に魅力的。正直、ベタ惚れです。
キャラについても、主人公である2人が魅力的なのは言うまでもないところ。自称頭脳労働担当フィンと、肉体労働を押しつけられるクレイという、関係性が単純に楽しい。まぁそういう関係性自体は珍しくなかろうが、まぁそうは言っても楽しいものは楽しい。
また、形式として5編の短編で成り立っているのだけど、それぞれがこの作品の世界を巧く繋げていて、ぶつ切りになった感じがないのに、なのに(作品のノリもあってか)短編小説的な軽さも持ち合わせていて、とても楽しく読める。
で、そのそれぞれに出てくるのが各ヒロインということになるわけだけども、それが主人公たちに負けず劣らず魅力的なわけですな。ざっくりと紹介すれば、魔女の館のメイド、吸血鬼城の姫君、貴族の娘、カジノの女主人、鳥人の巫女、といった5人。スオウさんのキュートなイラストに彩られつつ彼女たちの物語が展開され、魅力的に輝きます。
あと、そのスオウさんのイラスト。この小説が生まれることになったのは、このタッチの絵が似合う小説を考えてください、というのがキッカケだったんだとか。そういう生まれ方もあるんですね。ラノベというイラストが多用される小説特有のことなのかもしれませんが、それはそれで面白いことですな。まぁ実際、表紙画像を見てもらえればわかる通り、魅力的なイラストですよね。

というわけで、非常に楽しい作品でした。是非とも続編をお願いします!!!

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